合縁奇縁【WT】 (ページ10)

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家族の文字をなぞるとページ10

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玉狛の夕飯に招待されることは度々あった。
それこそ実は玉狛所属なんじゃないかとすら疑われた時期があるくらい頻繁に出入りしているし、上層部(主に城戸)はあまりよく思っていないことも知っていた。同い年の菊地原には二股女と言われているが、あながち間違いではないから否定出来ずいつも言葉を詰まらせて口を噤んでいたし、それを歌川が優しくフォローしてくれていた。

Aのことをスカウトしたのは忍田だった。
そしてスカウトしてやってきたAのことを世話焼いたのは木崎だった。

自分よりも5つも離れた女の子が化け物と戦わなければならない。歳の近い小南とは違って何も知らなければ両親共に遠方。A自身が選んだ道だとはいえあまりにも気の毒に思った木崎がよく手料理を振舞っていたのがきっかけだった。

それは成長した今も続いている。A級1位部隊で活躍していようがしていまいが、木崎にとってAは妹のような存在なのである。

「お邪魔します」
「こんにちは」

慣れた支部のちょっと古い玄関を開ければAが来ることを待ってた小南が待ち構えていて、つかつかとやってきて烏丸に迫った。

「とりまる！A連れてくんのが遅い！」
「すみません、デートしてました」
「ぅえ？！」
「はい」
「も、もしかしてそういう……！？あ、アンタたち付き合ってたならもっとはやくに言いなさいよ！」
「まぁ嘘なんすけど」
「？！」

固まる小南を他所に、見慣れているAは支部の中に上がり込んでいた。続いて烏丸も中に上がり込めば、背後からギャアギャアと騒ぐ小南と恐らく騙された小南を宥める宇佐美の声が聞こえる。

今度は本当にデートして来ようか、と表には出さず一切の無表情を貫いていた烏丸だったがリビングを開けてすぐに会った木崎に「小鍛冶に変なことはするな」と釘を刺されていた。

木崎レイジは小鍛冶Aの強力ゴリラSPだと諏訪が話していたことを思い出した烏丸は、なるほどなと密かに納得した。

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■ 木崎
こんな小さい子が戦えるのか？(疑心)と心配していたのが日に日に加速し今ではAの立派な父親面をするゆりさんには弱い21歳。京介なら、と思いつつもAにはまだ彼氏は早いだろとも思ってる

■ 小南
ボーダーではじめて歳の近い女の子が来たことに喜んでめちゃくちゃAの姉面する代表。とりまるに騙されながらも実はマジで付き合ってるのでは、と探っている

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