合縁奇縁【WT】 (ページ34)

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いつかのカムパネルラページ34

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「A、これはなんだ」
「これ～？これは知育菓子だよ」
「チイクガシ？」
「いろんなのあるんだよ～これは色が変わるの」
「どんな仕掛けだ？」
「魔法」
「！この国には魔法があるのか？」
「そうだよ」
「とりまるくんよりタチの悪い嘘つかないの」
「！？」「えへ、」

宇佐美に小突かれて悪い顔をして笑う彼女の隣でヒュースは目を見開き静かに驚いていた。

大規模侵攻の後玉狛の捕虜として迎えられたヒュースの世話をしていたのは紛れもなく陽太郎と彼女だった。いつもの如く迅に頼まれそれを引き受けた彼女は、最初こそヒュースに陽太郎よりも強く拒否されていた。何をしても疑われ何をしても何が目的だと言われていた彼女は、それこそ心折れて迅に断りに向かった。

『おまえはヒュースと仲良くなれるよ。きっといい先輩になる。おれが保証するよ』

なんて言いくるめられてしまい、根気強くヒュースの世話を焼きに行ったのだ。すると、どこかそそっかしく危なっかしい彼女を見ているヒュースが彼女の世話を焼き始める逆転が始まり、気づくとヒュースは彼女に心開くようになり今ではヒュースが比較的に素直に応じるようになったのは陽太郎と彼女になったのだ。

仲良くしている彼女とヒュースを見て烏丸は怪訝そうな表情を浮かべるが、木崎は彼女と仲良くしているヒュースにとやかく言うつもりは無いらしく、2人に混じってケーキを作る知育菓子を作り出していた。

「A、袖が濡れるぞ」
「ヒュース、小鍛冶の袖をまくってやれ」
「ありがとうヒュース」
「最初から袖をまくってからしろ」
「ヒュースお前もだ」
「私もまくってあげようか～」
「必要ない」

「なにとりまる、A取られて嫉妬？」
「いえ」
「とりまる先輩うそだね」｢遊真｣

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