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イーハトーブまでの数マイル ページ29

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彼女がミラの相手をしている間にレプリカは作成した黒いラービットを生成する。

「どこでそれを手に入れたのかしら?」

不敵に笑うミラは彼女の行動を小窓を使い器用に避けながらレプリカが真っ二つ割る。頼りにしていた自立型トリオン兵が割られ三雲は切羽詰まっていた。
彼女はミラにバイパーをらぶつけ三雲から距離を取らせる。

「余所見しないでくれますか?」
「しつこいのね」
「あなた方もそうじゃないですか」
「私達も時間が無いのよ」

ミラはそういい隙をみつけ彼女の足に小窓から出した大きな釘のようなトリガーを刺した。ふ、と笑うミラに彼女も笑いながら刺された左脚をすぐにスコーピオンで斬り落とした。

まだ大丈夫、レプリカは生きているし三雲くんはまだ諦めてない。負けない、頑張らなきゃ。私が、やらなきゃ。

彼女はいつか木虎がやっていたように脚からブレードを生やす。もうスコーピオンでミラの右手を狙うことは出来ない。ミラのトリオンも、いくら黒トリガーだからといって先程から何度も窓を出している。かなり消費しているはずだ。そう踏んだからこそ彼女はすぐに左脚を落としたのだ。
その状態を見てミラは得体の知れぬ恐怖を感じた。このままでは彼女に確実に食われてしまうと、そう思った。

ミラは彼女を無視して三雲を抑えることを優先した。ハイレインの指示に従い三雲にトリガーを差し向けると、三雲は叫んだ。

「トリガー解除!!」

彼女は唖然とした。それはミラたちも同じで彼の行動に動きが少し止まる。換装を解いた三雲はキューブにされた同胞の雨取と真っ二つにされたレプリカを抱えミラと彼女の横を駆け抜ける。

ハイレインは事を急いだ。このままでは何も収穫もできず終わる。焦ったようにミラに指示するハイレインのことを、三輪は許さなかったのだ。

「来たな馬鹿が」

ハイレインがミラの生み出した小窓からトリオンキューブにする動物を流し込むのよりも先に動いたのは三輪だった。烏丸をベイルアウトさせた時同様、三輪の背後に出した小窓に向かって三輪は容赦なくバイパーを打ち込んだ。打ち込んだバイパーはハイレインとミラに貫通する。
トドメを刺そうとする三輪を間一髪で大窓を使い遠くにワープさせたミラだったが、彼女がその隙を許すことはなかった。

こちらに弾をぶつけてくる彼女も三輪と同様に飛ばそうとしたミラは嫌なことに気づいてしまった。

「トリオン切れ……!?」

彼女は笑った。このときを待っていたのだ。



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作者名:40 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年12月3日 0時

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