それでも許してしまうのは ページ23
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「私が人型を相手します」
「なら俺らはAの援護でいいっすか」
「ああ」
屈伸しながら彼女は2人の人型近界民を見やった。小南が新型を倒すまでの時間稼ぎ。
烏丸と木崎はここで離脱されても困るからと、自ら捨て駒を名乗り出たのは彼女のサイドエフェクトが示した答えだった。
「バイパー＋メテオラ」
キィンッ、と高い音が鳴って合成弾が一瞬で出来上がる。
「トマホーク」
彼女の手から放たれた合成弾は真っ直ぐにウィザを狙ったが、ヒュースのトリガーによって阻止される。そしてそのままヒュースのトリガーに反射された高火力のトマホークが彼女たちに向いた。
「エスクード」
烏丸のエスクードにより蜂の巣を逃れた彼女は冷や汗をかいた。自分の撃った弾がそのまま反射で返ってくるとは思っていなかったからだ。
初めて受けた己の弾の威力に彼女は思わず口角をあげた。我ながらトンデモナイ火力の弾だ、と惚れ惚れしたのだ。
「ッナイスきょんくん助かった」
「あの反射盾……」
「撃って壊せる感じじゃないすね、弾はやめときますか？」とアサルトライフルを握り直す烏丸が問えば木崎は首を振る。曰く近距離戦に持ち込む罠かもしれない、と。
「……私反射盾の人型を狙います」
「近距離に持ち込むつもりか？それじゃ狙い通りになるぞ」
「レイジさんときょんくんが引き付けてる間に私が背後にまわって斬りに行きます」
「……A、おまえもしかして」
「……わかった」
「オッケー！ならあたしが老人の方行くわ」
烏丸と木崎はため息をついた。
彼女の負けず嫌いに笑って許すのはいつも同じ敵負けず嫌いの小南だった。
彼女は未知のトリガーであろうと自分の1番の得意分野である合成弾を簡単に弾かれたのが悔しかったのだ。
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作者名：40 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年12月3日 0時
