生活安全課.32…side you ページ32
深夜の会議が解散となり、仮眠をとる旨を横山主任に伝えたくて姿を捜す。でもどこにも見当たらない。警務課に捜しに行ってみようとエレベーターを待っていると、ちょうど階段を上がってきた。
『あ、主任。どちらにいらしたんですか』
「あぁ、倉田。ちょうどいい……」
私をエレベーターホールの端っこに誘い、誰かから隠れようとする。
「いいか、よく聞け」
『はい………』
「俺はこれから本庁に行く」
『なんでまた、こんなときに』
「黙って聞け」と睨まれる。
「しかしその本庁に行くことは、誰にも言わんといてほしい。留守だということ自体を、周りに伏せとくんや。もし誰かに居場所を訊かれたら、適当に誤魔化しといてくれ。次の会議までには戻るつもりやから………」
腕時計を見る。もうすぐ午前四時になろうとしている。
「かかってもせいぜい一時間半、二時間やから。ほんま頼むで」
ぽんと私の肩を叩き、主任はちょうどきたエレベーターに乗り込んだ。
私は呆気にとられてしまって、静かに見送ることしかできなかった。
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作者名:そら | 作成日時:2021年2月28日 9時