氷と雷が描くイナイレ界part3 (ページ45)

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ただの憂さ晴らしページ45

葉月「次はどうする？俺はポ○モンやりたいなあ」

カヤ「おっ、良いな！今度こそランクマッチでマスボ級行ってやるぜ！」

リク「お2人とも、頑張って下さ〜い。……ん？」

瑩「何だか表が騒がしいですね」

皐月の部屋は玄関から割と離れている。

なのにそれでも聞こえるという事はかなりだ。

途端、ドアがノックされて構成員の1人が「失礼します」と一礼してさりげなく入ってきた。

皐月に耳打ちすると、見る見る内に皐月の表情が神妙なものに変わる。

リク「……わかった。通してくれ」

葉月「おや、用事？」

リク「……そんな所です。ちょっと出てきますね」

瑩「……私も行きましょう」

あぐらをかいていた皐月と正座をしていた瑩が一言言ってから立ち上がると、早足にドアから出て行ってしまった。

葉月「…………」

聖良「……あれ？皐月さんと瑩さんは？」

葉月「用事だって。何かあったんだろうねえ」

聖良「そっかー。2代目っていうのも大変なんだねー」

興味が全く無いわけでは無いだろうが、敢えて関心を面(おもて)に出さないようにゲームをする聖良。

リク「待ってください、リーダー！」

聖羅「ついてくんな」

「「……？」」

慌ただしい声が近付いてきて、皐月の部屋を通り過ぎていく。

今、リーダーって言った……？

こっそりとみんなでドアの隙間を開けて様子を見てみると、聖羅を支える純もいた。

リク「リーダー。あの仕事はやめたんですよね？」

聖羅「そーだけど」

リク「だったら、なんでそんなに傷だらけなんですか」

チトセ「……！ちょっと待て、ショウ」

衝動的にドアから柊が飛び出して対峙する。

チトセ「傷だらけって……何があったんだ」

聖羅「…………」

チトセ「黙ってない、で……」

肩を掴んだ瞬間、粘着性のある音がして柊が掌を見る。

聖羅のパーカーは黒くてわかりづらいが、所々色が濃い部分ができている。

そしてこの特有の鉄の匂い……。

チトセ「お前、また殴られ屋やってんのか？」

……殴られ屋？

チトセ「診せろ。打撲後は冷やせば良いが傷口は……」

洗い場に連れて行こうとするが、聖羅はその手を振り払って拒絶する。

聖羅「触んな、自分でやる」

瑩「あ……あのっ、セイラ、さん……。私も、手伝います」

聖羅「……おー、頼むわ」

……？なんか空さんの手、震えてる……？

そう気付いたのは聖良だけで、みんなはただ聖羅が柊を拒絶する様子だけが目に映っているようだった。