知らないところ ページ26
your side
時間はまだ充分あるから校舎までの木のトンネルを2人並んでゆっくりと歩く。
周りに何か生き物は居ないかときょろきょろと視線を巡らせていると運動部の勢いのついた声が聞こえてきた。
この学校はグラウンドが幾つかある。その中の硬めの地面で砂が敷いてあるグラウンドの方から声がするから恐らく野球部の声だろう。
道よりもグラウンドは下にあって、自分がいる場所からは全体を見下ろすことができる。
練習試合だろうか、全体的に部員が広がっている。
『ん…』
「どしたん?」
打席を見てみると見慣れた幼馴染の姿が見えて、つい声を出してしまった。
隣を歩く友人が突然声を上げたら驚くだろう。申し訳ない…。
『んー幼馴染が見えて…ほら、あそこの、打つところに丁度…。』
「あ、あーー、見える見える。あの人Aの幼馴染なんや。」
『あれ?知り合い?』
「いや、ちゃうよ。ちゃうけど、野球部で結構活躍してるらしくてちょっと噂を小耳に挟んでたんよ。」
『へぇ…あんまり見ないから、ていうかあんまり見に来ないでって言われてたから知らなかった…。』
「そうなんや。」
少し立ち止まって見ていると力強く素振りをし始めた。
何回か振ったあと、バットを構え、真っ直ぐ投手を見据える。
『シャオちゃーーーーーん!!!頑張れーーーーーー!!!!』
「はぁ!?A!?」
声援を送ると想定外な声が聞こえたのか鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
さっき見た真面目な顔とは大違いで少しふふっと笑って手を降ると相手はちょっとだけ複雑そうな顔をしたあと、目を細め口角を上げて手を振り返してくれる。
手を振ったあと、シャオちゃんは目を閉じて集中力を取り戻しさっきよりも強く相手を見据えた。
馴染みのある友人の知らない顔、意外な顔を見てちょっとだけ心がザワつく。
これからは幼馴染2人の部活やってるとこを見てみようかな、来ないでって言われてるけど、なんて思いながらエーミールと校舎へと向かった。
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補足説明
時間軸分かりにくくてすみません!
「朝」の前のお話です。
大先生にイラついて力が入ってたところを見られたこと、隣に知らない奴がいたこと、Aさんに応援されたことは嬉しかったけど少し複雑だったシャオロンさんのお話です。
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夜光石(プロフ) - ゆきさん» お返事遅れてごめんなさい!最近占ツク見ていなくて通知流れてしまってました…。シロって名前可愛らしくて良いですね!確かに苗字は白城ですし白を基調としたお話ですからゲシュタルト崩壊してしまいそうです…!コメントありがとうございました! (2018年8月20日 0時) (レス) id: a687556f91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ヤバイwwシロって名前が好きだから、シロにしてたら、めっちゃ白だったわww(語彙力) (2018年8月13日 16時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
夜光石(プロフ) - 椎名さん» いえいえ、こちらこそ分かりにくくてごめんなさい…!公園のところは冬の夕方という事で紫外線が弱まってる時間を狙っていました…!全然!気にしないでください!指摘してもらえると本編で話せなかった設定とか話せるので嬉しいです!ありがとうございました! (2018年8月5日 21時) (レス) id: a687556f91 (このIDを非表示/違反報告)
椎名(プロフ) - 夜光石さん» そうでしたか。私の理解不足でしたね…すみません。鬱先生に出会うところはわかったのですが、公園の所が気になって…。本当に、申し訳ありませんでした。受験生の方なのですね。程々に、更新も頑張って下さい! (2018年8月5日 21時) (レス) id: 13ccb4a912 (このIDを非表示/違反報告)
夜光石(プロフ) - 椎名さん» 応援までありがとうございます!かなり日が空いてしまって書き方とか表現の仕方とか少し変わってしまうかもしれませんが頑張ります!受験生という事もあって中々長い時間小説に手を付けられなくて…申し訳ありません…! (2018年8月5日 19時) (レス) id: a687556f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜光石 | 作成日時:2017年11月10日 0時