【wrwrd】森の住人さんの秘密 2 (ページ46)

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45話ページ46

クッと一瞬力が抜け剣を弾かれ飛ばされる。
背中が壁に打ちつけられ痛い。
能力も体力切れだからか使えない。

｢ふむ…次の実験は感情を無くすようにしようか｣
｢ｶﾊｯ…!!｣

お腹を力強く踏まれ血を吐き出す。
次にターゲットは剣を私の左手の甲に突き刺した。

｢ｲｯ…!!!!｣

痛い。痛い。痛い！！！！
焼けるような痛みに蹲り、涙を流す。

｢私はね、君が能力に狂った姿が1番好きだったのだよ｣

ガッと剣を抜かれドクドクと血が溢れ出る。
痛みに変わりない。
フラフラと立ち上がり剣を右手で構えるが、クラっと倒れてしまった。
貧血だ。段々と視界も狭まってきた。
やばい…このままだと…

｢哀れな少女よ。楽しませてもらったぞ｣

剣が振り下ろされた瞬間。
ドアの方からノックの音が聞こえた。

｢ﾁｯ…誰だ！！！！｣
｢お取り込み中すみませんな。うちの部下がお世話になっているようで｣
｢…ッ貴様！！｣

聞こえたのはあの低い声。
閉じそうな目を無理矢理開け確認する。

｢A！！！！大丈夫！？｣
｢にいさ…｣
｢出血が酷いねんな…応急処置で包帯だけでも…｣
｢…ごめ、な、さい｣
｢バッカ！！喋んなお前！！！！ほら、帰るぞ！｣

兄さんの言葉にフルフルと首を振る。
まだ、まだ終わってない。
ターゲットを、ターゲットを、ターゲットを！！！！

自分の剣に寄りかかりながら立ち上がる。

｢Aちゃん！はよ手当してもらい！！ここは…｣

トン氏に言われるが、右手で剣を持つ。
左手の包帯からは血が滲んでいる。

｢まだ…タオシ、て、ナい、ンで。まだ、仇ヲ、討ってナい、んデ…｣

死なば諸共。

最後の力を振り絞り剣を振るう。
もう、ヤケクソだ。
脳内はERROR！ERROR！と忠告音が鳴り響いている。
知らない！知らない！知らない！！

｢私はっ…！！！！｣

グラッと視界が歪んだ。