【wrwrd】森の住人さんの秘密 2 (ページ34)

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32話ページ34

クラシックの音楽が心地好い。
ついさっき運ばれてきたばかりの紅茶を飲む。

A「んで、瀧はどうやって脱出したの？確かあの後…」

撃たれた、よね？

目を逸らす。

撃たれたのは私のせいだから。
チラリと瀧を見ると別に何とも思っていない様子で

瀧「あぁ、撃たれたね。そんで一回捕まったんだけど、なんとかすり抜けて脱出したんだ」
A「そう、なんだ…良かった…」

と言った。
兄さんは頼んだブラックコーヒーを静かに飲んでいる。
どうやら瀧を警戒しているようで。
ま、無理もないか。初対面だし。

瀧「あ、そうそう。Aさこの国の幹部になったんだってね。おめでとう」
A「あ、あはは…ありがとう…」

あれは半分無理矢理だけど()

瀧「それにしても、この国は良いね。紅茶が美味しい」
A「でしょ？」
瀧「あと国民の不満度も低そうだ」
A「うんうん」
瀧「そういや今度我が国に仕掛けるそうで」
A「う…え…？しかけ…しかける？」

A「…………は？」

言葉の意味が理解できず呆然とするが、嫌な予感がした。

瀧「あれ？違った？報告ではそうなってたんだけど」

首をかしげる瀧。
あれ？そう、いえば…

A「瀧、は。どこの国、に住んでる、んだっけ？」

無理矢理、笑顔をつくって問いかける。
出来れば答えを聞きたくなかった。

「あぁ…説明不足だったかな？」

「わたくし、瀧。現在フィオーレの王子をしております。以後お見知りおきを」

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