【wrwrd】孤児たちの家

student ページ25

私には"学生"と呼ばれる時期は確かにあった。
覚えていないほど遠い昔の帝国の、軍学校の生徒だった。

私はフューラー(総統)一家の跡取り子
実力主義のこの国で男とか女とか子供とかそんなのは関係なかった。

しかし、私の父は私が戦場に出るよりも早く討たれた。

厳しい税や恐怖の徴兵、独裁的な政治はやはり長くは続かない、

そして身近な者による暗殺で幕を閉じるということでは、私が小さな頃から変わってないらしい。

次は母、その次は妹弟、フューラーの一家は次々と討たれた。

残るは私一人、家族がいない世界で生きる意味もない、私は死ぬつもりだった。

だけど、戦火の熱風にその銀髪が当てられ靡いた時、

私は、レジスタンスの首を噛んでいた。

一族由来銀髪はより綺麗な銀へ
虹彩の奥の血管の血は沸たち、より濃い赤へ

レジスタンスの首を貫くのは、何物でもない私牙だ。

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