第5話 ページ7
*チーノ side*
レイの元を去ったその足で、俺は総統室に来ていた。
彼女を別の幹部に任せたいという
グ「はて……いったい、彼女の何が気に入らなかった？ この一ヶ月、極めて良好な関係を築いていたと、他の幹部たちからも評判だったが」
俺と彼女は、そんな風に見られていたのか……。
だとしたら……───酷く、
チ「……いやいや、彼女に不満があるわけやないですよ〜。ただね、俺なんかにはもったいない子やなぁと思いまして。たとえばほら、トントンとかに任せたらどうです？ 彼女、事務仕事もそつなくこなせますし。あの人の負担も、ちょっとは減らせるんやないかな〜」
愛想の良い笑顔で適当な主張を述べると、グルッペンさんは微かに喉を鳴らして薄くほくそ笑んだ。
グ「チーノ……お前は、嘘をつく時よく喋るな」
チ「……え？」
思わぬ事を言い放たれ、一瞬笑みが引きつる。
グ「一年も共に過ごしていれば、ちょっとした癖くらいわかるさ」
チ「……あっはっはっ！ いや〜、さすが一国を統治する御方ですわ！ グルッペンさんには
“正体”すらも見抜かれているのではないかと恐れたが、どうやらそういうわけではないらしい。
グ「まぁ……理由は何であれ、お前がそう言うのなら検討しよう」
チ「いやいや、お手間を取らせてしまってすみませんねぇ。また何かありましたら、ご報告お願いしますわ」
愛想の良い笑みを保ったまま出ていこうとすると、背中越しにどこか威圧感のある声をかけられた。
グ「彼女は確かに……お前にとって、ある意味“邪魔者”かもしれんな」
チ「……嫌やな〜、グルッペンさん。俺、さすがにそこまで思ってませんよ？」
グ「そうか？ まぁ、そう気にするな。単なる独り言さ」
チ「……へぇ、そうですか」
バクバクとうるさくなる心臓を抑え、俺は逃げるようにその場を立ち去った。
グ「……………」
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空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
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