第33話 ページ35
*グルッペン side*
トントンが去り、大先生もそれに続くのかと思いきや、おもむろにタバコを取り出して口にくわえた。
鬱「一本だけいい？」
グ「……窓開けて外に向かって吸え」
鬱「はーい」
俺の真後ろにある大きな窓を開け放ち、大先生はタバコに火を点けた。
背を向け合った状態で、大先生は呟くように問いかけてくる。
鬱「グルちゃんはさ、チーノがレイちゃんを
グ「……さあな。今のところは、何とも言えん」
鬱「……ほんなら、訊き方変えるわ。───チーノは、裏切り者やと思うか？」
その問いかけに、俺は机上の一点を見つめながら端的に答えた。
グ「思わんな」
俺の答えを聞いて、大先生はふはっと笑う。
鬱「どっからその自信湧いてくるん？」
グ「一年半もあいつを見てきたんだ。本気で裏切る気があるかどうかなんて、見抜けるに決まっているだろう」
鬱「……グルちゃんさぁ、僕の時もそんな事言うてたよね」
グ「はて、そうだったか？」
薄く微笑んでそう言うと、「またとぼけちゃって……」とぼやき、大先生はタバコの煙を外に向かって吐き出した。
鬱「ま……グルちゃんがそう言うなら、安心かな。調査隊からええ報告来ると良いね」
そう言いながら窓を閉め、大先生はゆったりとした足取りで出ていった。
グ「……さて。我らが優秀な幹部と兵士は、いったい何を企てているのやら……」
背もたれに体を預け、俺は独り喉を鳴らした。
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空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
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