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「いや、ちょ、誤解だって!!」
『きりやんしゃん…?どーしたの…?』
「ふーん…誤解、ね」
これはまじでまずい。
俺の目の前で真顔で立っているシャークんからは禍々しい殺気が醸し出している。
そんなシャークんを更に煽るかのようにAは俺の腰あたりに抱きついたまま甘い声を出す。
「Aが酒に弱い事知らなくてワイン飲ませたらこうなっちまったんだよ!」
「ふーん、そりゃよかったな」
「何がだよ!!」
俺の苦し紛れの言い訳もまともに聞く気がないらしい。今のシャークんの心を一言で表すとしたら、嫉妬という言葉が似合うだろう。周りからの視線も集まってきて焦っているとAが視線を上げてシャークんの方を見た
『あれ〜…シャークんだぁ…』
「…っ!」
『ふふ…ぎゅー…』
俺から離れたかと思うと次はシャークんに抱きつく。みるみるうちにシャークんの顔は真っ赤になり言葉を失っていた。
よし、今がチャンスだ!!と俺はそそくさとその場を退散した。
*
「ちょ、A…」
『なぁに〜…?』
酒のせいか火照っている頬に甘い声。しかも露出の多いドレス。俺の心臓は今にも破裂しそうなほどバクバクしていた。
上目遣いで俺の方を見るAにまた心臓が跳ねる。やばい、可愛い…いや、可愛いというより大人っぽいか?なんて頭の中で変な葛藤を起こしていた。周りを見れば何人かが不思議そうにこちらを見ている。これはやばい、
「ここ人いっぱいいるし…一旦離れてくんね?」
これ以上注目を集める訳にはいかない。そう思ってそう言うと悲しそうな顔をして目を潤ませる彼女。
『シャークんは、私の事嫌いなの…?』
「え、いや、そういうわけじゃ…」
『じゃあ好き…?』
その言葉に言葉が詰まる。それを言われると離れろなんて言うことが出来ない。だが、これ以上ここにいる訳にもいかない。俺は溜息をつきながら、彼女の膝裏と背中に腕を回した
世に言うお姫様抱っこってやつ。
俺はなるべく目立たないように会場から出て、不思議そうな顔をしているAを視界に入れながらエレベーターまで歩いた
俺が押したボタンは、俺の部屋がある階。
誰もいなくて落ち着ける場所はここしかないと思ったが、よく考えれば酔っている彼女と自分の部屋で二人っきりってやばくないか。
…俺の理性が保てなくてもそれはAのせいだ。こんだけ俺を煽ったんだから。自分にそう言い聞かせて足を進めた。
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桜 - ショッピ君と、くっ付けてください! (2021年1月6日 9時) (レス) id: 153d73471b (このIDを非表示/違反報告)
Airu - あの、コメ欄見て思ったんですが、検索避けをしたほうがいいのではないでしょうか?さすがに酷すぎかと…。これも民度が低いといわれる原因の一つなので…。どうか、注意喚起をお願いします。 (2020年11月6日 20時) (レス) id: 393d6064ec (このIDを非表示/違反報告)
グルッペン好き - グルッペンとくっつけて (2020年2月15日 21時) (レス) id: 575ccce210 (このIDを非表示/違反報告)
夜愛蝶 - シャークんさん、かっこいい……!! (2019年8月19日 18時) (レス) id: 8521d2c08d (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - しゃけまる水産大好きいぃぃいい♪ (2019年5月3日 16時) (レス) id: a2cb6e73c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃 x他1人 | 作成日時:2018年9月11日 17時