Text.3 - About “FPS” ページ3
「そういえば、最近よくあのゲームやってるけど……FPS？だっけ」
「FPSですねー……気になりました？」
管理人さんが言っているのは、無論先ほどまでプレイしていたゲームのことだ。
FPS……“First-Person Shooter”と呼ばれる、一人称視点のシューティングゲーム。
数年前に存在を知って、それ以来長らく続けている。
「ほら、前にも言ったんだけど……あんまりAちゃんがやってるイメージないなーって思って。ああいうの意外と好きだったりする？」
「……うーん、好きかと言われると、そうでもないですね」
「あれ！そうなの？」
自身の意外性について質問されたのに、さらに意外性を含んだ答えで返してしまって、質問者と回答者共々笑ってしまう。
「Aちゃん怖いもの知らずなところあるから、案外好きでやってるのかと思ってたよ」
「いやいや、私が虫苦手なの知ってるじゃないですか。むしろ管理人さんの弱点知りたいですって」
「ええっ私の？そうだなー……さっきのゲームみたいに血がいっぱい出るようなのは苦手だよ？」
「それ好きって言われる方が困りますよ……苦手でよかったです」
でもなんかすみません、ああいうゲームばかりしてて。
いいよいいよ、Aちゃんは気にしないで。じっと見るわけじゃないし全然大丈夫だよ。
和やかに談笑しながらも、ちょっと食事向きじゃない話になっちゃってるな、なんて今更気付く。
「にしてもよく長い時間続けられるねー……好きではないんでしょ？」
「好きではないですね」
「あはは！えーなんでーなんかハマるきっかけでもあったの？」
好きでもないゲームに長時間没頭するという矛盾に、心底不思議そうな顔をする管理人さん。
でも、いざそう聞かれると、なんと答えようか少し逡巡してしまう。
「……元々、ゲームをやり始めたのが、FPSに興味を持ったからなんですよ」
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作者名：桜音風湊 | 作成日時：2018年4月26日 21時
