心が３個 ページ4
kn「おーし、グラウンド１０周しよーな！」
「「「はい！」」」
後輩たちの後に次いでグラウンドをゆっくりと走る。
今は五時半。この時間は特別。
この時間はAのオーボエとかいう音が聞こえる。
kn「もう、この音が聞けるのもあと一週間かぁ。」
俺たちはもう三年生。卒部の時期も近づいてくる。
ほかの同級生の中にはもう卒部したやつもいる。
少し沈んだ気持ちになりながら走るスピードを上げる。
〜♪〜♪〜
あ。聞こえる。
いつも同じメロディ。つい鼻歌で歌ってしまう。
kn「ふふん…ふんふん…」
いつまでも聞こえるそのメロディに耳を貸しながら俺は走った。
「今日はこれで終わり。終礼お願い。」
kn「これで終礼を終わります。礼。」
「「「ありがとうございました！」」」
kn「ようやく終わったわぁ。つかれたあ…」
『よ！シッマ。お疲れさま。』
kn「A、今日は何の日かわかるか？今日はな金曜日やぞ。花の金曜日や！花金や、花金。」
そういうとAはくすくすと静かに笑ってこちらを向いた。
『ねえ、シッマ？今日は金曜日。私たちの特別な日にしない？どーお？』
今までに見ない真剣な表情。
少し面白くなって首を縦に振ってしまった。
kn「どうしたん？いきなりそんな真剣になって。」
『んー…もう卒業が近いでしょ？だから金曜日にプレゼントを渡す日にしようかなって…』
Aは真面目な顔からいつもの優しい笑顔に戻った。
プレゼントか。なんなんやろ…
『はい。これ。』
Aが少しぶっきらぼうに渡したものは
kn「なんやこれ。花？」
紫やら赤やらピンクやらの色とりどりの小さな花束だった。
『この花はね、アネモネっていうんだよ。きれいでしょ？』
kn「アネモネ、ねぇ…俺、花に詳しくないし？どうしとけばいい？」
『シッマのおばあちゃんにドライフラワーにでもしといてって伝えて。』
kn「ど、どらいふらわー？まぁ、伝えとくわ！ありがとうな。」
にこっと笑って少し恥ずかしそうにうつむいた。
本当、絵になるよな。
白い肌。でっかい目。長いまつげ。きれいなお団子の髪。
横目で見ながらひとりで感動する。
ちっさいころはやんちゃだったのにおとなしくなってしまって。
気が付けば家の前についていた。
『じゃ、シッマばいばい。月曜日もいつもの時間に迎えに行くよ。』
kn「おう」
二人で軽く手を振って別れる。
別れる、と言っても家が向かい同士なんだがな。
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ぜろ(プロフ) - クロノスさん» うわん…ありがとうございます。クズシマちょっと笑っちゃいましたｗ (2020年1月24日 14時) (
レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
クロノス - よかったですわ マジで （タイトルのとこのコネシマ の英語『クズシマ』と読んだなんて言えない、、） (2020年1月12日 4時) (レス) id: 25a024680a (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 無色さん» コメントありがとうございますぅうう( ;∀;)二人ともＥＮＤ１では幸せな…はず！です(´・ω・) (2019年12月15日 17時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
無色 - すごいいい話でした！軽く泣きかけました(￣▽￣;)二人とも幸せになっているといいな（´・ω・｀） (2019年12月13日 15時) (レス) id: 3580e498d4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 美希さん» このお話のシッマさん、過去には心あったっていう設定なんです！ここから少しずつタイトルの意味、分かっていくので！！！！楽しみにしていてください！美希さん、コメントありがとうございます！ (2019年2月7日 14時) (レス) id: aa0aa3566b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぜろ | 作成日時：2018年11月4日 22時
