検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:72,813 hit

心が25個 ページ26

『シッマ!!』

kn「うぉ…」

息遣いが荒く、汗をかいているようだった。

『…シッマがいる!よかった…良かった。』

手で涙をぬぐいながら何度もそう呟いている。

kn「どないしたん?俺はここにおるで。」


『シッマが…シッマがいない夢を見て…私…』


Aの透き通るような肌に涙がいくつも零れ落ちる。


kn「大丈夫や。俺はここにいる。隣にずっとおるから。」


『ありがとう…』

落ち着いたのか、ベッドに倒れて目を閉じた。


kn「あんまり無理すんなよ」


『私さぁ、前まで死ぬことが怖くない、なんて言ってたじゃん?』

窓の外に目をやって震えた声で言った。

『だけどね、今すっごく怖い。“死”そのものが怖いんじゃなくてシッマと別れることが。』

何を言えばいいんやろう。言葉が出なくて、のどがつっかえてて



『なんでだろうね。私さ…』



『ん。やっぱり何でもないや。』


悲しそうな顔で無理して笑ってた。


時計の針の進む音だけが聞こえる。


kn「…あのさ」

『なーに?』

安心する声。思わず手を握ってしまった。


小さな機械音が鳴った。

機械を横目で見ると数字が少しずつ、小さくなっていた。



kn「俺な、Aのこと…」





-





ピイイイイイイイイイイイイイイ



嫌な音がした。



kn「A…?」



返事は帰ってこなかった。寝てるだけ、そう思いたいけど。



冷たくなっていく手。血の気が引いていく肌。



そして耳をつんざくようなこの機械音。



kn「A?…Aっ!!」



強く手を握ってみても、何度も名前を呼んでも目を開けてくれない。声を聞かせてくれない。


さっきまで笑ってたのに。泣いてたのに。


扉が開く音がして、何人も人が入ってきた。

俺を、俺とAのつないでいた手を無理やりはがす。


「君!向こうに行っててくれ!!」


kn「俺は!!Aの隣におらんといかんのや!約束したんや…Aとっ!!」


はがされていく手と手。もみくちゃにされて…

医者たちが、Aの周りに集まってて。



なにもかも壊れていく。




嗚呼。




さよなら、



-

心が26個→←心が24個



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
164人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , wrwrd! , d!   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぜろ(プロフ) - クロノスさん» うわん…ありがとうございます。クズシマちょっと笑っちゃいましたw (2020年1月24日 14時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
クロノス - よかったですわ マジで (タイトルのとこのコネシマ の英語『クズシマ』と読んだなんて言えない、、) (2020年1月12日 4時) (レス) id: 25a024680a (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 無色さん» コメントありがとうございますぅうう( ;∀;)二人ともEND1では幸せな…はず!です(´・ω・) (2019年12月15日 17時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
無色 - すごいいい話でした!軽く泣きかけました( ̄▽ ̄;)二人とも幸せになっているといいな(´・ω・`) (2019年12月13日 15時) (レス) id: 3580e498d4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 美希さん» このお話のシッマさん、過去には心あったっていう設定なんです!ここから少しずつタイトルの意味、分かっていくので!!!!楽しみにしていてください!美希さん、コメントありがとうございます! (2019年2月7日 14時) (レス) id: aa0aa3566b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぜろ | 作成日時:2018年11月4日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。