心が25個 ページ26
『シッマ!!』
kn「うぉ…」
息遣いが荒く、汗をかいているようだった。
『…シッマがいる!よかった…良かった。』
手で涙をぬぐいながら何度もそう呟いている。
kn「どないしたん?俺はここにおるで。」
『シッマが…シッマがいない夢を見て…私…』
Aの透き通るような肌に涙がいくつも零れ落ちる。
kn「大丈夫や。俺はここにいる。隣にずっとおるから。」
『ありがとう…』
落ち着いたのか、ベッドに倒れて目を閉じた。
kn「あんまり無理すんなよ」
『私さぁ、前まで死ぬことが怖くない、なんて言ってたじゃん?』
窓の外に目をやって震えた声で言った。
『だけどね、今すっごく怖い。“死”そのものが怖いんじゃなくてシッマと別れることが。』
何を言えばいいんやろう。言葉が出なくて、のどがつっかえてて
『なんでだろうね。私さ…』
『ん。やっぱり何でもないや。』
悲しそうな顔で無理して笑ってた。
時計の針の進む音だけが聞こえる。
kn「…あのさ」
『なーに?』
安心する声。思わず手を握ってしまった。
小さな機械音が鳴った。
機械を横目で見ると数字が少しずつ、小さくなっていた。
kn「俺な、Aのこと…」
-
ピイイイイイイイイイイイイイイ
嫌な音がした。
kn「A…?」
返事は帰ってこなかった。寝てるだけ、そう思いたいけど。
冷たくなっていく手。血の気が引いていく肌。
そして耳をつんざくようなこの機械音。
kn「A?…Aっ!!」
強く手を握ってみても、何度も名前を呼んでも目を開けてくれない。声を聞かせてくれない。
さっきまで笑ってたのに。泣いてたのに。
扉が開く音がして、何人も人が入ってきた。
俺を、俺とAのつないでいた手を無理やりはがす。
「君!向こうに行っててくれ!!」
kn「俺は!!Aの隣におらんといかんのや!約束したんや…Aとっ!!」
はがされていく手と手。もみくちゃにされて…
医者たちが、Aの周りに集まってて。
なにもかも壊れていく。
嗚呼。
さよなら、
-
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ぜろ(プロフ) - クロノスさん» うわん…ありがとうございます。クズシマちょっと笑っちゃいましたw (2020年1月24日 14時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
クロノス - よかったですわ マジで (タイトルのとこのコネシマ の英語『クズシマ』と読んだなんて言えない、、) (2020年1月12日 4時) (レス) id: 25a024680a (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 無色さん» コメントありがとうございますぅうう( ;∀;)二人ともEND1では幸せな…はず!です(´・ω・) (2019年12月15日 17時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
無色 - すごいいい話でした!軽く泣きかけました( ̄▽ ̄;)二人とも幸せになっているといいな(´・ω・`) (2019年12月13日 15時) (レス) id: 3580e498d4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 美希さん» このお話のシッマさん、過去には心あったっていう設定なんです!ここから少しずつタイトルの意味、分かっていくので!!!!楽しみにしていてください!美希さん、コメントありがとうございます! (2019年2月7日 14時) (レス) id: aa0aa3566b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぜろ | 作成日時:2018年11月4日 22時