心が２４個 ページ25
you side.
心地の良い、どこかにいた。目を開ければ、花がたくさん咲いていた。
それも、すべて真っ赤なヒガンバナ。
あまりにもきれいで、そして、怖くて。
『ここは、どこ？』
体は軽かった。あれ？息苦しくない。痛くない。
ヒガンバナを避けつつ進めば、川があった。
あぁ、三途の川ってこんなものなのか
なんて思った。
わたってしまおうか。本能的にそう思った。今更目覚めたって、私は長くない。苦しみたくない。
シッマの悲しんでいる顔を見たくない。
少し古くなった橋をゆっくりと渡る。
『なんだ、簡単に渡れるじゃん』
こういうのって、後ろから声が聞こえたりするもんじゃなかったのかな。
シッマ、呼んでくれなかったなぁ。
ほろ苦い思いが胸いっぱいに広がった。
『シッマに、伝えたかったなぁ』
世界がかすんでいく。
『何やってんだろ。私』
笑ってみようと口角を上げるけど。口は震えて動いてくれない。
空を仰いでも、“涙”は止まらない。あふれるばかり。
戻ろうと思っても、振り向けない。
『シッマ…私、一人じゃ何もできないよ』
名前を呼んでも、彼はいない。
「こっち、おいでA。こっち」
霧が濃くて、声の主は分からない。懐かしい声。
「こっちにきたら、辛くない。苦しまなくていいんだよ」
甘い声。そんな誘惑に乗りそうになる。
『…あなたは？』
そう聞いてみたが、答えてはくれなかった。
「私は、私がだれかわからない。だけどね、幸せ。」
『自分自身が分からない？』
「そりゃ、ただで幸せをつかむわけにはね。それなりの代償ってのがあるのさ」
『代償…』
「過去を消してくれるのさ」
過去。私はすでに死んでいるわけで。
シッマのことは何とか覚えている。自分がだれなのか、どうしてここにいるのか。
まだわかる。
まだ、覚えてる。
「さぁ、おいで。」
怖い。怖い怖い怖い。
『まだ、忘れたくない…伝えれてないんです』
その人はため息を一つついた。
「こっちに来るんじゃないよ！戻りなさい。ほら」
強い口調だったけど優しさを感じた。
振り返れなかったのに、その言葉を聞いた瞬間。
knsm side.
Aの母さんは、そっと病室を出ていった。
「私、お邪魔そうだし。A、起きてるしさ」
くすくすと笑ってAの頭を撫でた。
「A。シッマ君とお話でもしてなさい。」
扉を閉めた途端、Aは勢いよく起き上がった。
『シッマ！！』
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ぜろ(プロフ) - クロノスさん» うわん…ありがとうございます。クズシマちょっと笑っちゃいましたｗ (2020年1月24日 14時) (
レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
クロノス - よかったですわ マジで （タイトルのとこのコネシマ の英語『クズシマ』と読んだなんて言えない、、） (2020年1月12日 4時) (レス) id: 25a024680a (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 無色さん» コメントありがとうございますぅうう( ;∀;)二人ともＥＮＤ１では幸せな…はず！です(´・ω・) (2019年12月15日 17時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
無色 - すごいいい話でした！軽く泣きかけました(￣▽￣;)二人とも幸せになっているといいな（´・ω・｀） (2019年12月13日 15時) (レス) id: 3580e498d4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 美希さん» このお話のシッマさん、過去には心あったっていう設定なんです！ここから少しずつタイトルの意味、分かっていくので！！！！楽しみにしていてください！美希さん、コメントありがとうございます！ (2019年2月7日 14時) (レス) id: aa0aa3566b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぜろ | 作成日時：2018年11月4日 22時
