心が２０個 ページ21
そう言って、Aは口を閉じた。
少し思いつめたような顔をした。
『やっぱり、いっか。またいつか話すよ。』
笑って、言った。
お前の言ういつか、っていつだよ。もう会えないかもしれない。ここで最期かもしれない。
最期を看取れないかもしれない。幸せに…できないかもしれない。
kn「あんな…その、いつか話すのって来週の金曜日にしてくれるか？」
『うん…話すよ。伝えなくちゃいけないことだって思ってるから』
生ぬるい風が頬をかすって、消えていった。
桜のにおいが少し、少しだけしたようなそんな気がした。
「Aちゃん…探したよ。さ、行こうか」
白衣を着た医師がにこやかに現れた。
『はい…』
kn「俺、金曜日まで楽しみに待ってるから！」
『…待ってるよ。ずっと待ってる』
車いすを押されながら、Aは行ってしまった。
待っててくれるやろか。待てる時間はあるだろうか…
Aの後ろ姿と医師の後ろ姿を見つめていると、自然と涙が溢れてきた。
kn「Aッ…A！！」
悔しくて、この気持ちをどうしたらいいのかわからなくて。
花束に涙が落ちた。
kn「なんで！Aなん？俺で…良かったやん！苦しみ続けるAは…見てられん…」
会うたびに力のなくなっていく笑顔、言葉。
あの、前の屈託のない笑顔で笑うAはいない。
“シッマ”って無邪気な声で俺を呼ぶのも聞こえなくなっていった。
kn「俺はッ…どうしたら良かったんや？かける言葉も見つからないで…曖昧な言葉で濁して」
学校で始めて自分の病気のことを教えてくれた時。
その日、音楽室で泣きじゃくっていたAを見つけた時。
kn「あいつは…一人で苦しんでた。それなのに…それなのに俺は！」
言葉では表せないほど悔しくて、何にもできない自分が憎くて。
それでも、涙は止まらなかった。あふれる涙は花に落ちていく。
kn「どんな思いで今日まで生きてきた？Aの支えにもなれなくて…」
自分は悪くないとか、Aのことを忘れようとか俺は、本当に…
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ぜろ(プロフ) - クロノスさん» うわん…ありがとうございます。クズシマちょっと笑っちゃいましたｗ (2020年1月24日 14時) (
レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
クロノス - よかったですわ マジで （タイトルのとこのコネシマ の英語『クズシマ』と読んだなんて言えない、、） (2020年1月12日 4時) (レス) id: 25a024680a (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 無色さん» コメントありがとうございますぅうう( ;∀;)二人ともＥＮＤ１では幸せな…はず！です(´・ω・) (2019年12月15日 17時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
無色 - すごいいい話でした！軽く泣きかけました(￣▽￣;)二人とも幸せになっているといいな（´・ω・｀） (2019年12月13日 15時) (レス) id: 3580e498d4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 美希さん» このお話のシッマさん、過去には心あったっていう設定なんです！ここから少しずつタイトルの意味、分かっていくので！！！！楽しみにしていてください！美希さん、コメントありがとうございます！ (2019年2月7日 14時) (レス) id: aa0aa3566b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぜろ | 作成日時：2018年11月4日 22時
