私の好き≠彼の好き【孤爪研磨】

６ ページ6

確かにね、うん。

恋愛的に発展が見込まれなくても、日常的には支障ないんです。友達としては仲良いし……あ、だめだ自分で言って辛い。

あかねちゃんに、ちゃんとした報告をできる日が来るのだろうか。



「A、何聴いてるの？」

「あぁ、これ？好きなバンドのやつ。昨日発売されたんだー！」



そんな事を考えるようになった今日この頃。

当たり前だが普通に学校はあり、スクールライフ送ってるナウな状況である。

イヤホンつけて聴いてたんだけど、孤爪に覗き込まれたので一旦停止した。やめて、そこ角度あざとい。上目遣い辛い可愛い。

でもなんか、私が聴いてるやつに興味があったようなのでイヤホンごと貸してみた。



「……あ、俺このバンド好きかも」

「まじか！嬉しい！」



奇跡、孤爪と好みがあった。

自分が好きなものを好きと言ってもらえて嬉しいし、孤爪と同じもの好きになれて嬉しい。神様ありがとう。



「初めて聴くけど、聴きやすいや」

「でしょー！特にさ」

「あぁ、うん。特に……」

「ギタボがいいよね！」

「キーボード上手いね」



……おっとー？

まさかここで？ここで好み別れます？いや、嫌いではないよ、キーボードの人。でもやっぱりギタボがいいよ。この声素敵だよ？



「……ギタボ？なんかギター若干暴走してない？キーボードの人の方が安定して聞こえるけど」

「はぁー？そんなことないですぅー、みんな上手ですー。てかそういう曲なんですー。テンション上がるじゃん」

「えー……」



……なぜ最後にハッピーエンド(＝好みが合う)にならない。

そして言い争いしてた内に曲終わってるという。

７→←５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す