黒王子な8人目！⑤(JW) (ページ25)

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藤「なぁ」

『はい……。』

『あ、なんや流星か。』

そんなAくんの心境の変化にいち早く気づいたのは、意外にも藤井くんでした。

Aくんが1人になったタイミングで話しかけます。

藤「A、なんかあった？顔色悪いけど。」

『…なんや白いって言いたいんか』

藤「いやちゃうくて。具合悪いん？ヒラリー氏呼ぶ？」

『……ぇえ？』

ふと楽屋の鏡を見ると、真っ青な顔をした自分。

『あー…』

『大丈夫大丈夫！』と言おうとして勢いよく立ち上がると、ふらつく足元。

咄嗟に藤井くんが支えてくれます。

藤「えっ、ほんまに大丈夫なん？ちょ、ヒラリーさ…」

ヒラリーさんを呼ぼうとする藤井くんの左手を掴むAくん。

『大丈夫、ちょっと寝不足なだけやから…』

藤「……」

ーーー

そしてまた時が経ち、

2013年秋。

舞台で忙しくしていたメンバーたちから連絡が来ます。

神山8人でデビューできるかも!

重岡せやで!早くAも大阪きてや!

関西からデビューできるらしい。８人でデビューできるらしい。そんな話が浮上したらしい。

「らしいらしいらしい」って…。

すでに社長から話を聞いていたAくん。

思わず深いため息が。

Aおめでと、皆がんばれよ。

とだけ返信し、電源を切りました。

ーーー

そして今日も社長に呼び出されたAくん。

いつも一緒に入るヒラリーさんは、付いてきませんでした。

「いつも来てもらって悪いね」

『いや…』

「みんな忙しいし、大阪にいるからさ。」

『……』

「今日ユーを呼び出したのは、大事な話があるから」

『中国デビューのことですか？』

「んーん。」

『……』

「関西からデビューさせるって話、覚えてる？」

『…覚えてます』

「またユーに先に言っちゃうことになるんだけどさ、」

『……。』

「中間と桐山、重岡と小瀧、そして、ユー。」

「5人でデビューすることに決めたよ。」

『へ……？』

「もし中国デビューしたいなら、そっち優先していいから」

『……』

「ユーが好きなようにしていいよ。」

まさかのメジャーデビュー。

名前が出てこない仲間たち。

中国デビューは？

Aくんの頭の中はパンク寸前でした。