◆未知の言葉 ページ24
「本の内容は全くわからなかったです、言語も何種類かあって」
ショッピくんがそう説明しながらスライドが進んでいく。
本の中に書かれた言語は、本当に何種類もあったが見覚えはなかった。
「ふむ、見覚えの無い言語だ。オスマン、エーミール、どうだ？」
「見覚えないめぅ」
「すみません、私も初めてみる言語です」
「あの、ちょっといい？」
そう声を上げたのはひとらんだった。
「数枚前のスライド、あー、それそれ」
「これがどうした？」
「この言語、俺の母国語に似てるんだよ」
「え、まじ？？」
「うん、全く同じではないけど、」
ひとらんは極東の出身で、今はもう無い小さな島国から来た。そこの母国語に似た言語の本だなんて早々ない。
「この内容、ひとらんはわかるん？」
「正確じゃないかもしれないけど、多分これ植物について書いてあると思う。」
「そうか、ありがとう」
いくらスパイだからって極東の言語を使うことはまあ無い。理由はわかる人間がほんのひと握りだからだ。それを逆手にとる方法もあるっちゃあるけど、それにしては分母が少なすぎる言語なのだ。
みんなして頭を悩ませていると会議室の扉が開いた。
「すまん、遅なったわ」
そこにいたのは、ペ神の押す車椅子に乗ってきたシャオロンやった。
「おま、シャオロン大丈夫なんか」
「もう平気や、それよりそれAさん家やんな。」
彼女に何したん。
静かに怒ったシャオロンに事情を説明すると、どうにか納得はしてくれた。
「今は会議に集中するわ。後で話あるから頼むな」
そう言って彼は自分が知っていることを話し始めた。
家の中にある数種類の言語の本は読めること。
ω語も公用語も読めるし話せること。
書けるのはひとらんの母国語に似た言語だけなこと。
もしかしたらありとあらゆる言語が読めたり話したり出来るかもしれないこと。
「もし、これがホンマに出来るんやとしたら、彼女が気づいてないだけでまじもんの能力なんかもしれん」
「そんな能力聞いたことないで」
「やけど、ないとは言いきれへん」
「ありとあらゆる言語が理解出来るなんてことが実現すればまだ解明されていない書物も分かるかもしれませんよ」
「それだけやない、機密文書が筒抜けっちゅーことや」
「やから、俺は彼女をうちの国から出す訳にはいかんと思うねんけど」
「シャオロンの意見は正しいよ、そりゃそやわ」
「保護という名目で監視を付けよう」
「実際にありとあらゆる言語が理解出来るか調査する必要もありますね」
「あ、あとな」
喋る時、言語の使い分け分からんぽいねんけど。
シャオロンの言葉に皆が固まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1814人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ーーー - 好きです (3月13日 4時) (
レス) @page35 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - 楽しい作品ありがとうございます！続きも楽しみにしてます。 (2023年3月27日 10時) (レス) id: 26248b9bea (このIDを非表示/違反報告)
なな - お米様抱っこ好きですw (2022年10月15日 21時) (レス) @page28 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
スンドゥブ左衛門(プロフ) - 無名さんさん» お返事遅くなりました。どちらに掲載したのか等をお教えいただけるのでしたら、是非お願い致します。ﾂｲｯﾀとかでご連絡頂けると助かります。 (2022年8月7日 8時) (レス) id: 2b12ea7bfc (このIDを非表示/違反報告)
無名さん - 失礼します！僕今、おすすめの作品を紹介していて、作者様のお名前と作品を出してもよろしいですか！？こちらの作品僕大好きでして…ぜひ紹介したいんです！ (2022年8月6日 11時) (レス) @page35 id: ea8e66f22c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スンドゥブ左衛門 | 作成日時：2022年6月14日 15時
