4、動きから出るクソガキ感 ページ4
これまた西蔭君視点の話です
試合は、永世中学の勝利に終わった。試合の間、例の纏向の女子は、試合を超真剣に見つつ、たまに思い出したようにメモをとっていた。
纏向の彼女がビデオとメモ帳を鞄にしまい立ち上がる。昭和の学生みたいな鞄を肩にかけ、これまた古めかしいデザインの学生帽をかぶる。こちらを一瞬ちら、と見て、目を見開いたのが確認できた。
そんな彼女に、野坂さんが近づく。俺は野坂さんのうしろに立つ。よもや声はかけまい、と思ったが、そのまさかで野坂さんは、「ねえ、君。」と、声をかけた。
そこで気がついたが、制服のスカートからのびる脚の筋肉がすごい。ふくらはぎが太い。どうやらマネジャーではなく選手だったみたいだ。
「あ、王帝月ノ宮の野坂さん、と、西蔭さん。こんにちは。」
一瞬、わかりやすくギョッとしていた彼女は、帽子を取って頭を下げる。
「試合、どうだった？」
「え？ええっと、いい試合……。」ここまで言って、野坂さんの顔色をちらりと伺う。小賢しい行動だが、バレバレなので賢くない。というか、野坂さんは眉をピクリとも動かさないので意味ないだろう。
「ではなかったと思います。吉良ヒロトさんの傍若無人ぶりが目立ちました。あ、でも、昨日雷門と世宇子の試合を見たからそう見えただけかもです。」
結局、思ったことを言うことにしたみたいだ。それにしても挙動不審だ。まあ、戦術の皇帝から声をかけられたら当然の反応だろうか。
「あ、お二人も昨日試合だったんですよね。二回戦進出、おめでとうございます。」
「いや、僕たちにとっては当然のことさ。祝福されるようなことじゃない。」
「へ、へえ。」
「名前なんて言うの？」
唐突だ。えっ私のですか、と彼女はビビりつつも、AAと名乗った。一年生らしい。どうりで幼さが残っている。
「Aさんは纏向のマネジャー？」
野坂さんの質問にAは、目を細める。愉快じゃないのだろう。わかりにくかったが確実にイラッとしていた。
しかし、不愉快そうなのはほんの一瞬で、「いえ、選手です。私ベンチ入りしていないんで、わからないですよね。」
あはは、と眉を下げて笑う。眉毛がわりと太いな、とどうでも良いことをぼんやり思う。
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マトリックス(プロフ) - 飴子さん» コメントありがとうございます！二人の中学生感、私も気に入ってるのでめちゃめちゃ嬉しいです。 (2018年9月16日 18時) (
レス) id: 5cf0ad2a55 (このIDを非表示/違反報告)
飴子(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。テンポの良さと夢主ちゃんのキャラが痛快で、サクサク読んでしまいました。とても面白かったです！個人的に夢主ちゃんと風子ちゃんの中学生らしい会話が好きです。続きを楽しみにお待ちしてます。 (2018年9月15日 23時) (レス) id: e8d9f617ef (このIDを非表示/違反報告)
速水ヒロcv前野智昭love♪(プロフ) - マトリックスさん» カッコいいですよ！！続き気になります。 (2018年8月30日 15時) (レス) id: 5e287a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
マトリックス(プロフ) - 速水ヒロcv前野智昭love♪さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけると嬉しいです！声優さんあまり詳しくないので、調べてみます〜 (2018年8月30日 12時) (レス) id: 5cf0ad2a55 (このIDを非表示/違反報告)
速水ヒロcv前野智昭love♪(プロフ) - 初めましてコメント失礼します。続き気になります。めっちゃ面白かったです。西蔭君の中の人もかっこいいですよね？更新頑張ってください (2018年8月29日 21時) (レス) id: 5e287a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マトリックス | 作成日時：2018年8月21日 11時
