人は、嫌いだ…でも貴方は…――【風間蒼也】

Episode 10 ページ12

風間『……もう一度訊く。


お前はどうして((煩いｯｯ!!…』


鋭い視線にも、威圧を持ったこの声にも


もう耐えられなかった


動揺のあまり奴の言葉を遮って叫ぶ


A『煩い帰ってよ！！話なんてするつもりはない！！


関係ない私のことなんて放っておいてよ！！』



突然声を荒げたことに驚いたのか


男は少しの間目を見開いていた


でもすぐに落ち着いた顔に戻り


こっちにゆっくりと歩み寄ってきた





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そこで気が付いた。


自分の体の震えが大きくなっていることに。


無抵抗な状態でも私を痛めつけた町の人のことが頭をよぎる


この人間が今から何をしてくるのか…


何をされるのか。そう考えただけで……怖い


私は……最初に見た時から……


この人を、恐れていたんだ………





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A『来るなｯｯ！来るな！！


近寄らないで！！嫌だ…！！


人間なんて……大っ嫌いだ…ｯｯ！！！』


我武者羅に暴れて手首の錠を引きちぎろうとするが


さすがに金属とあって傷すらなかなかつかない




風間『そう怯えるな。危害を加えるつもりはない』


尚も歩みをとめずに近寄りながら


穏やかにそう言ってくる


信じては…いけない


・




A『嘘だ！！あんたも同じだ…


またどうせ私を追放する！！』


そう叫んだ時だった


鎖ではなく、柱のほうが力に負けて、折れた。

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