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結論から言えば、あの後一次試験は難なく終了した。
湿原で霧がかかっているとはいえ白眼を使用すれば何も問題はない。
道中に後方でいざこざがあったようだがそれも無視すればよい話だ。
二次試験会場には最終的に150名ほどがたどり着いた。それ以外は脱落。
そして気になる二次試験の内容は、料理。
この湿原にいる'グレイトスタンプ'という豚を使用して豚の丸焼きを作るというものだ。
これにはほとんどの奴が苦戦することもなく合格していた。
問題は次だ。試験官の一人であるメンチが作れといったものは'寿司'である。
俺としては向こうで何度も寿司を食べたことがあるから問題はなかったのだが、どうやら寿司というものはこの世界の人間にはあまり縁がないらしい。
俺が寿司を完成させる頃にはそれなりの人数が不合格になっていた。
そろそろ行こうと思い、寿司を乗せた皿に蓋を乗せて持っていく。
「寿司だ」
「あら♪やっとこさまともなのが出てきたわね。どれどれ、味見するわよ」
「「………………………」」
「うん、全然ダメね」
「……何？」
「見た目は上手いけど味は全然ダメ。料理は見た目だけ着飾りゃ良いってもんじゃないのよ。はい、次々〜」
まさかダメ出しを喰らうとは思はなかったな。とりあえずもう一度作＿＿＿＿
「どうだ！これが寿司だぜ」
「あら、次のも大分まともそうね。でもあなたも聞いていたと思うけど、料理で重要なのは味なのよ。じゃ、いただきま〜す」
もぐもぐ
「………これも前のと一緒ね。味がぜんっぜんダメ」
「はぁ？なんでだよ。寿司ってのは長方形に握った米に魚の切り身を乗せたお手軽料理だろ？誰が作っても大して変わんねぇよ！」
俺の次に寿司を出した奴。ハンゾウという名でジャポン出身の忍者らしいがアイツ、余計なことを言ったな。あの試験官の性格上料理を侮るような物言いはまずいだろう。
案の定試験官はキレていたが、流石に試験が中断されることにはならなかった。危惧しすぎか。
だがアイツが寿司の作り方を公言したせいで他の奴等が試験官の元へ寿司をもって一斉に集まりだした。
俺もいそいそと二つ目の寿司を持って行ったんだが、やはり改善点も理解できないまま持っていったためかすぐにダメ出しを喰らってしまった。
さらには試験官の腹も膨れたようで、合格者はゼロ名と言い出す始末だ。
これは非常に面倒だ。
他の奴等も流石にキレて騒ぎ出す。
そんなところにある人物がやってきた。
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作者名：lye | 作成日時：2021年10月15日 17時
