2・だから本当に驚いた ページ2
「A、お母さんねAが学校に進学して
みんなと同じように生活できてるってだけでね幸せな気持ちになれるのよ」
「……」
「だからね、私のせいで迷惑をかけてるなんて思わないでね」
その問いに私は軽く頷いた。
「確かにこの学校はAが目指してた高校より偏差値が低いかもしれない。
でも、それならそこで頑張ればいいじゃないの」
お母さんはいつも1人で色んな事を背負い込みすぎている。
本当は私に対して色んな事を吐き出したいはずなのに。
その時だった。
「どうぞ」
目の前のドアが開いて中から先生が顔を出した。
三者懇談はあんまり好きじゃない。
母に成績を見せた事でまた悲しませたりしたくないから。
私は立ち上がると教室へと歩いていく。
後ろを振り返ると母は何やらぼーっとしている様だった。
「お母さん?」
「……あ、ん?どうしたの?」
「いや、別に、なんでもないよ」
私はお母さんに歩幅を合わせて席に着いた。
心なしか先生の目も泳いでる気がする。
あんまり慣れてないのかな?
まぁ、私には関係ない。
成績は上々だった。
成績をみた母の顔も曇ってはいなかった。
安心した。
心から何かが抜けていくみたいに軽くなる。
それでもなぜか2人とも終始そわそわしてた。
帰り際母に
「あの人Aにとってはいい先生?」
そう聞かれた事は忘れない。
それが約7ヶ月ほど前の話。
3・いま、目の前に貴方が居る事が→←1・たまたま私達は出逢った
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