おいしいって笑うキミが好き / Fischer's <Mt> (ページ11)

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『で、明日は丁度ユキノさんの命日。１週間休むのはナオさんにゆっくりしてほしいから』

もう６年近く前のことか。懐かしい
あのあとトモさんが本職の方落ち着かせるからっていって店はまだ閉めてたんだっけな
私が卒業する２か月前から再開してそのから私も働き始めたのだ

silk「なんか、あれだな。人生って何が起きるかわかんねぇよな」

『そうだね～。だから自分も周りも大事にしていきたいなと思うよ』

うんうん、と頷く彼ら。
すごく場がしんみりしたな。いや私のせいなんだけど
急いでサラダとチキン南蛮をとりわけた

『まあ取り敢えず食べてよ!!』

masai「そうだな!!腹減ってんだよ俺!」

peke「俺も～!!」

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帰り道、彼らのマンションを出た瞬間手をつないできた彼。
考えていることはなんとなくわかる。
･･･やっぱこれおかしいのかな?でも長い事一緒にいたらわかるものだよね、なんて

motoki「ちゃんと詳しい話聞いたの今日が初めてだったかも」

『あれそうだっけか』

motoki「命日ってのは聞いてたけど･･･幼馴染だったとかAが働くきっかけは初めてきいた」

『まじか～･･･』

私的には話していたつもりだったんだけどな
元々幼馴染だし話した気になっていただけだったのかも。よくある話だ。

motoki「だから２人とも俺のこと応援してくれてたのかな。特にナオさん」

『えっ話してたの』

motoki「めっちゃ相談してた」

『それは初耳すぎる』

motoki「当然なんだよな～」

はは、と笑う彼
だけどすぐ真顔に戻る
世間ではミステリアスだのノーリアクション王だの言われているけれど私にはわかるよ

『今こうやって一緒に居られるのを大切にしていこ』

motoki「そうだね」

『そもそも私達会えない期間が長かったからあれだわ』

motoki「それ。大学時代ってほんと数え切れるくらいだったし」

『･･･今思えば、隣に住むのも一緒にいられるのも、それに付き合えてるもの奇跡だな～』

幼い頃は一緒に遊ぶことは“当たり前”だった
けれど高校にあがるにつれそれが減って、大学時代はほぼ会えない日々。
其れが当たり前じゃないことを知ったいいきっかけだったと今なら言える

『ありがとうね、魁。私は魁が大好きだよ』

だからこうやって愛の言葉もしっかり伝えていきたいなと思うよ。

そう言うと彼はその場にしゃがみ込む
体調不良かと思えばその耳は真っ赤で、さらに愛しく思えた

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