いっぱい食べるキミが好き / Fischer's <Mt> (ページ9)

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▼料理音痴クッキングページ9

目の前ではギャーギャー試行錯誤しながら料理するシルクくんとザカオくん
それを撮り続けるマサイくん

さらにそれを映らないところで見守る魁と私。

どういう状況なのだろうか、私が知りたい･･･
まあ事の発端はシルクくんらしい

“ピカニで料理ができない俺らが作った料理を現役調理師さんにも見て欲しい!”

それを魁に言って彼が了承したらしい。私の了承は!?
まあでも、料理関係だし嫌とは言わないんだけど･･･

silk「ビーフストロガノフだから６秒くらいかな」

赤ワイン片手に呟く彼
･･･本当に料理できないんだ。いやその前の会話を聞いてて確信したけれども。

とはいえ見てると心配になって手を出したくなってしまう
それも彼はわかっていて、作業用のMacBookを持ってきていいと事前に言ってくれた
そのおかげで私は彼らに手出しせずひたすら自分の動画を編集している

＜今度はなんの動画?＞

魁がスマホのメモにそう書いて見せてきた
私は編集画面を見せる。そこには私の勤務先の入口が映し出されている。

＜店の動画か＞

うん、と頷く。

元々私がYoutubeに動画を上げ始めたのは
自分の料理のスキルアップ日記をつけたり、店をいろんな人に知って欲しいと思ったから
だから定期的に店で動画をとってそれを投稿している。

･･･

slzk「「完成!!」」

そんな声が聞こえた私は一旦編集をやめ、端っこによる
実食風景の撮影を見ていると魁もマサイくんも美味いだの作り直してもいいだの言っている
･･･いや、え？まあまずい物は入れてなかったのはわかるけど･･･

zakao「っ辻元さんも食べてみて･･･!」

『うん、いただきます』

motoki「スプーン持ってくる」

『え？あるじゃん』

motoki「･･･いいから待ってて」

皆使ってたスプーンでいいんだけどな～･･･なんて思っていたら

silk「はい、あーん」

『え？･･･あー･･･』

シルクくんがその場にあったスプーンを使って口に入れてきた
･･･うん、しょっぱい。かなりしょっぱいけど不味くはないしむしろ美味しい･･･

なんでだ
いやダメな食材はなかったし、プロテインがいい具合に隠れていて
でもマイルドさもある･･･

料理ってやっぱり不思議だ。まだまだ勉強が足りないと気づかされた

motoki「ねえシルク今なにした?」

silk「別にいいだろ細けぇなあ」

motoki「Aも何か言ってよ」

『料理は奥が深い‥』

motoki「Aってばー!」