20 なまえ ページ22
私は呆然として固まっていた。
なんで……？
「どうしたの、はる____」
言いかけて、すぐに言葉を止めた。
危ない。
晴矢はなんて言ったっけ。
……………………
なんで、こんな時に……
ど忘れするんだよ！
……とりあえずここは、
「どうしたの？」
さりげない表情をつくって、何事もなかったように接する。
「それはこっちのセリフだ」
「私はただ、散歩してただけだよ。そっちこそ、なに、走ってたの？」
「走ってたの、じゃねえよ。もうとっくに暗くなってるし、なんでこんな時間に。危ねえだろ」
「だって他に散歩なんてする時間がなかったから」
すこし食い気味に言って、素早く話題転換する。
「もうすぐ冬だからか、日が暮れるのも早くなったね」
どうしよう。朝会ったときはちゃんと呼んでたはずなのに。
晴矢の名前が浮かばない。
晴矢はため息をついて言う。
「だからってこんな暗い道じゃなくてもいいだろ」
「うん、分かった。もっと明るい道にする」
「ほんとか？ ____絶対分かってねーだろ」
「ほんとだよ」
私は、ぶっきらぼうで世話焼きなきょうだいに笑ってみせて、
それでも信用していなさそうな顔の晴矢に向かってひらひらと手を振った。
「だいじょうぶだよ。私、もう帰るから。じゃ、おさきに」
そう言って、お日さま園のほうへ駆け出す。
「おい(人1)！」
久しぶりに呼ばれたな____。
『(人1)』____私の名前。
ほんとうの親がつけてくれた名前。
でもね、晴矢____
________ううん、そうだ……バーン。
「気をつけてね、バーン！」
これが私なりの、意思表示のつもりだ。
私はコロナ。
お父さんのくれた名前。
コロナは強いから____。
きっとこのときだった________
私が覚悟を決めたのは。
.
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阿津(プロフ) - †びた†さん» あたたかいお言葉、ありがとうございます！力が出そうです。これからも更新は遅いと思いますが、頑張って仕上げていきます。 (2017年3月7日 23時) (
レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
†びた† - ゆっくり自分のペースでやっていただいておkですよ｡待ってます! (2016年8月6日 15時) (レス) id: eb2164e30c (このIDを非表示/違反報告)
阿津(プロフ) - ルミナさん» 遅くなってしまってすみません。わわー、コメントなどなど嬉しいです！ありがとうございます(･∀･*) (2014年11月28日 22時) (レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ(プロフ) - 設定が好きです。なんか、面白い設定だな〜っと よければ私の小説も^^ (2014年11月14日 0時) (レス) id: 96405fb6db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：阿津 | 作成日時：2014年6月17日 21時
