【イナゴ】狼と桜LBX【ダン戦W】

第27話 ページ30

『おら！
速く動け！』


『うぁあ！！』


『！クロミ…！
お願いです！もう止めて下さい！
ちゃんと働きますから！』


何かを運んでいるのだろうか…
小さい体には到底無理であろう大きな袋を落とす度に大人に叩かれている幼い琴聖と鎖月…

その後にはまだ幼い雪奈とその雪奈を守ろうとしている青年が現れた。


「もしかして、あの人が白也さん…」


『おにぃちゃん、おにぃちゃん…！』


『お願いします、
ミシロには…手を出さないでください…
代わりに僕が…！

がっ！！』


『っ！！
おにぃちゃん！』


そして、その4人の他にも
たくさんの子供たちがいたが
みんながみんな、足枷と手錠をして
部屋は牢獄のような暗い場所…

それを見たみんなは
目を背けたり、顔を顰めたりして
その様子を見ていた…


『ねぇ、お兄ちゃん。
どうして戦争しようとするの？』


『…戦争はね、
お互いに利益を求めようとするから起こるんだ。

あの人たちはその利益を求めて
戦争を起こそうとしているんだよ』


『でも、
それじゃあ俺たちがいる意味ってなんだ？』


『…僕らを兵器として
戦争を有利に進めようと育てているんだよ、

だからこんなことをしているのさ…』


『…』


『クロミ、そんな顔しないで？

大丈夫、僕らは必ず報われるから…』


牢獄の中で幼い3人を宥めるように
静かな、安心する声で話しかける白也…

そんな状況から一変…


『くそ！
どこへ行きやがった！！』


牢獄は火の海と化して
炎が燃え盛っている…


『見つけたぞ！
逃亡者だ！！』


バンッ！


『うっ！』


『！白也おにぃちゃん！』


『(もう大人たちがそこまで…！)
チッ…来るな！
逃げろ！ミシロ！』


『っ…え…でも！』


『いいから！
僕には構わず逃げろ！

黒也！クロミ！
早く！ミシロを…妹を頼む！！』


『『っ！！』』


『お兄ちゃん！！』


『行くぞ！
白也兄さんの想いを無駄にすんな！』


『離して！
お兄ちゃん！お兄ちゃん！』


『ミシロ！！』


『！』


『大丈夫だ』


ドンドン！！


『っっ！！

いやぁああ！！』

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