幸ひすむと人のいふ…☆ (ページ45)

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｢何！元老院のワターベが黒幕だと！？｣

Jからの報告を聞いたショウが

驚きの声をあげる。

カズを助けだし、無事、城に戻ると

ボロボロになったショウが先に戻っていた。

ボロボロにはなってるし

あちこち口紅べっとりのキスマークだらけだけど

なんとか"テイソウノキキ"からは免れたみたいだった。

それにしても、ここに来てから

コイツのこんな姿見んの初めてだな。

あまりのやつれっぷりに

気の毒だけどちょっと笑えてくる。

でもJは、見慣れてるのか

そんなのおかまいなしに報告を始めた。

｢ええ…どうやら手下のサワーベを使って
MJ団を操ろうとしていたようです。｣

｢でも何故だ？
王の諮問機関でもあるべき元老院が
何故王子を……？｣

ショウがそういうと、Jはチラッとおれを見て続けた。

｢以前、王子がお命を狙われたことがありましたね？｣

｢ああ、そんなこともあったな。
見事返り討ちにされていたが…｣

｢ええ…
ご病弱な王の座を脅かす王子を疎ましく思い
亡き者にしようとしたのです。｣

｢王子が王の座を脅かすなどと…
何を血迷ったことを……｣

｢…あれもどうやらワターベの差し金だったようですが
失敗に終わりました。
やはり並大抵の者では王子には敵うはずもなく…
そこでニセモノと入れ替えることを考え付いたようです。｣

｢それでMJ団を利用した、ってことか…｣

｢え？え？どういうこと？
なんでそこでMJ団が出てくんの？｣

おれの疑問に、ショウが答えてくれた。

元老院は王の諮問機関(つまりご意見番みたいなもの)ではあるものの

城の中枢には近づけない。

軍人の中には、階級によって

城の中枢にエントリーできる権限を持つ者もいる。

そいつらを囲い込んで味方につければ

自分たちの計画が確実に実行できる…

そこで選ばれたのがMJ団だった。

MJ団の中でも特にJに心酔しているジュンとアレクが選ばれた。

計画を練るのはワターベが

そして遂行のためにMJ団と接触するのはサワーベが

行っていたのだ。

｢そして最終的には、逆賊の汚名を着せて
将軍もろとも排除しようと目論んでいたようです。｣

｢ヒデぇな、なんて奴らだ……｣

見たこともないそいつらに

怒りがわいてくる。

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