ｱﾅﾀﾉｶｵﾘﾃﾞ__3 ページ32
soya side
最後の時間割がお互い違うから先に終わった方が図書室でいつも待つことにしてる
図書室の地下で厚めの小説をペラペラめくりながら夢うつつの状態になっていれば、
とんとん、と肩を叩かれてお待たせと囁かれるけど
朝一緒にいた時と違う、要するに違和感しかない
Aが目の前にいるのに落ち着かない原因
蒼弥: ね、俺と同じ匂いじゃない
A: え？
蒼弥: なんかイラつく
A: な、なに、蒼弥
せっかく同じ匂いにしよって揃えたのになあ
嫌だったかなあ？
まだはっきり香る自分の手首についた香水の香りに付け足すようにまたもう一度新しくつけて、自分の手首を擦り合わせてそのままAの首元に強く擦り付けた
蒼弥: 他の匂いになるなよ、それさくちゃんだろ？ふたりでなんかしたの
A: 学校だよ？何もしてないし、さくちゃんがまいた香水浴びちゃっただけだってば
蒼弥: ふーん、あっそ
A: 怒ってる...？
別の匂いがするだけでAを奪われた気分になって余裕なくなる自分と、あっさり他の匂いに染まっちゃうAにいらだって悔しい
蒼弥: ううん、とりあえず帰ろ？
A: え、うん...
Aの家に着いて靴もまだ脱がないうちにAを後ろから抱きしめた
驚いて俺の名前を呟くその唇に苛立ちをこめて指を咥えさせる
蒼弥: 俺以外の匂いに染まるようなこともうしない？
まあ、いいえなんて言わせないようにしてるからこくりこくりと縦に首を振るA
蒼弥: 他の匂いとか本当煩わしいから、さ？もうちょっと俺でいっぱいになろうとしてほしいな
独占欲？
それでも構わない
貴方が好きで好きで仕方ない
大好きだから俺のだって見せつけたい
俺と同じ香りに包まれた"貴女の香りで"目覚めたいし、その香りの隣にいて抱きしめて香りを閉じ込めてあげたい
そしたらきっと貴女は視覚も聴覚も嗅覚も俺でいっぱいになるでしょ？
___fin
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←ｱﾅﾀﾉｶｵﾘﾃﾞ__2
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ようぴょん** | 作成日時：2018年2月17日 3時
