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#5 ページ5

side龍友

龍「涼太、入るで。おはよう…」

思わず、息を呑む。



涼「あっ…」

そんな彼の呟きに、現実に引き戻される。








龍「大丈夫、大丈夫やからな」


床に散乱する服たちを踏まないように、ベッドに座り込む彼のそばへ行く。





龍「大丈夫やで。来るの遅かった僕が悪い。な?」


しっかりと抱きしめる。

涙もしっかり、拭ってやる。








龍「何がほしい?」

少し落ち着いたところで、優しく声をかける。


涼「タ、オル、」

龍「ん、タオルな」


そう言って引き出しからタオルを出してやる。


涼「わかんない、の……ごめん、なさい…」

龍「謝ることやないで。何回でも教えたる」









彼が何を忘れようと、僕が覚えているから。

何度だって、教えてあげる。



涼「ごめん、なさい…」

龍「何も謝ることないよ」


僅かに震える彼の身体を優しくさする。







龍「大丈夫、大丈夫」


自分に言い聞かせていたんだ、たぶん。

僕も怖かった。

いつかきっと彼は、僕らのことも忘れてしまう。



そんな日が来たらもう、こうして抱きしめることすら出来なくなるだろう。









龍「大丈夫、ずっと一緒や。何も怖がることないんやで」

涼「けどっ…俺はいつかっ……」

龍「先のことなんかわからん」

涼「でもっ…絶対に俺はっ…」



震えた声で、叫ぶようにそう言う彼を。








龍「僕がっ、僕らがらおるっ!僕らが全部、覚えとるからっ!」





強く抱きしめる。

全部、全部、受け止めるから。

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りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*)本当はもっと読みたかったけど完結おめでとうございます(*^-^*)新作待ってます(*^-^*) (2021年6月16日 0時) (レス) id: 3c9e6364e5 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - お疲れ様でした!新しい物語も楽しみにしてますね!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年6月15日 23時) (レス) id: d773789e6b (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます! (2021年6月15日 22時) (レス) id: 23d7ad1fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年6月12日 0時) (レス) id: 3c9e6364e5 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*)大丈夫ですよ(*^-^*)私はまだまだ読みたいですなので作者さんのペースでいいので書いて下さい(*^-^*)お願いします(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年6月1日 0時) (レス) id: 3c9e6364e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jdhchebbdn x他1人 | 作成日時:2021年2月28日 14時

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