ジェネハウス。#1 (ページ5)

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side龍友

龍「涼太、隼、玲於！朝やでー」

両親を失ってからもう3年。

それだけ時が過ぎれば、こんな7人兄弟だけの生活にも慣れてくるわけで。

毎朝、チビたちを起こすこともすっかり僕の日課。

1人ずつ布団をめくる。

龍「隼、朝ごはんは？」

隼「んぅ……たべりゅ、」

布団からゆっくり起き上がり、眠そうに目を擦りながらも少しずつ起きてゆく。

龍「玲於起きや。隼も起きたで、置いていかれるで」

玲「やぁっ…おきりゅ、」

こちらもゆっくりと体を起こす。

そして最後のマイペースなねぼすけくん。

龍「涼太、もう起きやなあかんで。お兄ちゃんやねんから頑張って起きよか」

最近の涼太にとって "お兄ちゃん" はかなりのパワーワード。

龍「ゆっくり降りるんやで」

小さい足でせっせと階段を降りる姿は、ただ可愛い。

いつもと違うのは、階段を降りてチビたちがリビングに入った瞬間。

いつもの元気な "おはよう" が今日は聞こえない。

だけど今日は仕方がない。
外を見れば、鳴り響く雷。

この年齢なら仕方のないことなんだろうけれど、うちの双子は雷が大嫌い。

玲「やっ、やっ……ふぇーん、泣」

隼「りぇお、ないちゃ、めっ、めなのっ、グスッ、泣」

泣き出す玲於と、耐えようとしたけど釣られちゃった隼。

裕「ほれほれ、泣かんで」

メ「泣くことないのに」

すぐさまメンくんと裕太が双子を抱き上げてあやす。

涼太はいつも泣かないし、特別怖がる様子もなかった。

だから双子の泣き声が響いて、涼太は静かにいつも通りに過ごす。

そんなの、いつものことだった。

だけど、今日はなかなか泣き止まずソファに座らされた双子。

するとそこに、ペタペタと涼太が近付く。

涼「はぁと、りぇお、だぁーじょぉぶ、りょたが、いるよ、？」

小さな手で、さらに小さな双子の手を握る。

涼「りょたが、いっちょ、いてあげゆ、ね？」

涼太なりに必死に双子を慰めてくれている。

涼「ないちゃ、にいちゃ、こまりゅ、」

舌ったらずで一生懸命に言葉を紡ぐ姿に、なぜか泣きそうになる。

涼太も大きくなったんだな、なんてこんなにふとしたところで知るなんて。

だけど俺らも仕事だし、そろそろ、なんて思っていると。

亜「俺、今日学校、臨時休校だって。だからチビたち家で見とくよ」

どうやら電車が止まっているようで、亜嵐の学校は臨時休校になるらしく、ありがたくチビたちを頼むことにした。