ジェネハウス。#1 (ページ22)

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side龍友

お風呂からあがっても、涼太はどこかボーッとしていた。

おでこに手を当ててみても、熱はないし。

涼「りゅとくん、りょた、ねるの、」

龍「ん？もう寝る？ええよ、部屋行こか」

いつもより早いけれど、眠いなら寝かせてあげたいし。

そう思って立ち上がろうとすると。

玲「どこぉ、いくのぉー？」

隼「りゅとくん、あしょぶの！」

今度は僕の服を引っ張る双子。

龍「亜嵐くんもみんなおるやん。他の兄ちゃんに遊んでもらい」

そう言って服から手を離させるんだけど。

玲「りゅとくんもっ！」

隼「いっちょ！」

泣きべそをないて喚く双子。

するとそれを見た涼太は。

涼「りゅとくん、おやちゅみ、なちゃぁ」

龍「え、ちよ、僕も行くって」

涼「りょた、おにいたん、だかぁ、だぁじょーぶ！」

そう言ってパタパタと駆けて行った涼太。

お兄ちゃんだからって言っても、まだ４歳だよ？

心配になってみんなを見ると。

亜「涼太、最近お兄ちゃんだからってめっちゃ頑張ってるよね」

裕「デカくなったなぁ、中身的にも」

メ「隼と玲於も来年にはああなってないかな、笑」

すごいほのぼのしてた。

いや、確かに涼太は大人しいし優しい。

兄バカって言われるかもだけど、本当に良い子に育っていると思う。

でも、まだ４歳。

龍「たぶん電気とか消せへんやろうし、行ってくるわ」

亜「うん」

相変わらず喚く双子を3人に任せて、僕は涼太の様子を見に行った。

龍「あれれ、」

上手くドアを閉めれなくて、少し開いたドアから覗いて見ると。

涼「んっ、んっ……ひっく、んっ、」

泣いてる、？

布団の上で丸まって、涼太のお気に入りのぬいぐるみを抱きしめて。

龍「涼太？」

思わずすぐに部屋に入って涼太に声をかける。

涼「んっ、！りゅとっ、くっ、」

僕に驚いたのか、ビクッと体を揺らしてから。

ゴシゴシと腕で涙を拭う。

龍「あ、それやめとき。痛いやろ、」

優しく腕で目元をこするのをやめさせる。

龍「どしたん？」

とりあえず涼太を抱き上げ、膝の上に座らせる。

涼太は黙って僕に抱かれるだけ。

龍「何でも言ってみ？」

涼「んーん、なぁ、よ、」

龍「嫌なことあった？」

涼「んーん」

龍「しんどい？」

涼「ちぁう、よ」

何を聞いても大丈夫しか言わなくて。

いつの間にか腕の中で眠っていた涼太を、そっと布団に寝かせてやるしかできなかった。