ジェネハウス。#1 (ページ3)

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side裕太

裕「ご飯食べたら着替えよか」

涼太が隼と玲於にあーんで食べさせるんだけど、そうすれば涼太は自分のご飯が進まないので。

2、3口だけさせてあげればそれで満足なようで、残りは俺たちが食べさせる。

そしてご飯が終わればいよいよ、保育園に行くための準備が始まる。

準備中ずっと３人に付いてるわけにはいかないから、荷物や服は階段を上がらなくても良い1階の和室に置いてある。

玲「でちた！」

隼「はぁとのが、はやかた！」

玲「りぇお、の、かち！」

隼「ちゃうー！」

この双子ちゃんが競い合うのはいつものこと。

やっぱり双子はそういうもんなんやと思う。

実際、僕も龍友と双子やけど、メンくんや親がよう喧嘩して競い合ってたって言ってたからな。

裕「2人とも早かったで。じゃあ次、何するんやっけ？」

俺がそう言うと、またバタバタと和室に戻ってから俺とメンくんのところに戻ってくる双子。

隼「ゆたくっ！どーじょ！」

裕「ん、忘れ物ないな」

玲「めんくっ、りぇおの、みて？」

メ「うん、ちゃんと出来てるね」

俺は隼の、メンくんは玲於の忘れ物チェック。

そしてふと、我に返ったように。

玲「あっ、りょたくっ、はっ？」

隼「りょたくっ！どこぉー？」

裕「あーあー、走り回るなよ」

いつもマイペースな涼太を探して家中をドタバタ走り回る。

涼「ゆたくっ、でちた、」

裕「お、出来た？」

双子より少し遅れて準備完了。

龍「じゃあ裕太くん、後は頼んだ」

裕「はーい」

涼太のチェックをしていた龍友が最後にリビングに戻ってきて、ここからは俺が３人を保育園まで送り届ける。

裕「ほれ、ちゃんと靴履いてー」

隼「でちた！はぁと、いちばんっ！」

玲「りぇおもー」

なんて競い合う双子ほど、マジックテープが上手く止められていない。

裕「ここちゃんとペタッてしやな」

隼「あぁー」

玲「めんちゃいー」

あからさまに残念そうな双子。

涼「ゆたくん、見て？」

裕「お、涼太すごい！ちゃんと出来たな！」

マイペースな涼太は何をするにも年下の双子より遅い。

だけどちゃんと出来ちゃうところはやっぱり双子のお兄ちゃん。

玲「りょたくっ、しゅごい、」

隼「なんでぇー？」

涼「こんど、おちえてあげる！」

可愛らしい会話。

涼太は右手は隼、左手は玲於と繋いで出発。

すっかり馴染んだ保育園には愚図ることなく入って行き、俺も仕事へ向かった。