僕は僕の青春を取り戻す【∞】2 (ページ9)

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＃ページ9

◎よこやまさん

晴人の件で事務所に呼び出された俺とヒナ。

重苦しくて声も出せないような雰囲気の中、突然ヒナが立ち上がった。

「ちょっといいですか？」

その声は怒りに満ち溢れていて、顔は真っ赤。
強く握られた拳は、今にも前に出てしまいそうだった。

「応援してくれてる人らにほんまのこと黙ったままで、白岡のことかくまって、それが何になるんですか？どうしたいんですか？事務所のイメージ守るために、白岡のこと見捨てるっていうんですか！？」

ヒナは語気を強め、すごい剣幕でまくし立てる。

それを見た事務所の人はさすがに焦ったのか、慌てて弁明をし始めた。

「村上くん、見捨てるなんてそんなことひとことも言ってないだろう。ただ、もう少し時間を置いて、白岡くんにはグループから離れたところで活動してもらおうと…。」

晴人の復帰を先延ばしにする？
グループから離れてもらう？

そんなこと、俺らは望んでない。

望んでいるのは、ただ一つ。

「先週のラジオで、白岡は“戻りたい”ってはっきり言いましたよね？それじゃダメなんですか！？」

晴人がまた、この場所に戻ってくることだ。

「俺らが守らないあかんのは、白岡の気持ちでしょう？あんたらは一回でも、晴人のほんまの気持ちをちゃんと考えたんですか！？」

ヒナの叫びにも似た言葉を聞き、ハッとする。

そうや。あいつの、晴人のほんまの気持ちを守ってやれるのは、もう俺らしかいない。

俺はヒナと同様その場に立ち上がり、深く頭を下げる。
そして、溢れてしまいそうな涙を堪えて必死に言葉を絞り出した。

「俺からもお願いします。晴人とまた一緒に活動したいんです！彼の病気にも一緒に立ち向かっていくつもりやし、もうあんなことになれへんように俺らがあいつを守ります。」

俺はヒナと一緒に頭を下げ続けた。

こんな姿の俺らを晴人が見たら、また自分のことを責めるかもしれへん。

みっともないって言って笑うかもしれへん。

でもな、気づいたんや。

久しぶりの映画の撮影でメンバーに囲まれて笑顔を見せる晴人を見て、あいつにはここしかないって。

関ジャニ∞には白岡晴人が必要やって。