僕は僕の青春を取り戻す【∞】2 (ページ6)

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＃ページ6

◎よこやまさん

「お前ら丸見えやぞ。」

俺がそう言うと、セットの後ろから大倉、ヤス、マル、どっくんの4人がなだれのように出てきた。

『えっ！みんな！？何してんの！？』

晴人は突然の4人の登場に目を丸くしている。
俺には丸見えやったんやけど、
どうやら晴人は気づいてなかったみたいや。

「大倉でかいねん！バレへんようにって言うたやろが！」

「ちゃうって！亮ちゃんが押してくるのが悪いんやん！！」

「まあまあ亮も大倉もそんなに怒らんといてよ～。」

「晴人ちゃ～ん！久しぶり～！」

がやがやと文句を言いながらこちらにやって来る4人を見て、晴人の顔はパァっと明るくなる。

『ふふっ、みんな何してんの？』

「何してるって、晴人のこと見にきたんやん！心配してたんやから～！」

大倉はそう言うと、晴人をめいっぱい抱きしめた。あかん、華奢な晴人は早速潰れそうになってる。

辺りを見回すと、そんな俺たちを見て笑っているスタッフさんたちの姿。
潰れそうになった晴人は亮とヤスによって救出され、5人で仲睦まじく談笑を始めている。

普段のわちゃわちゃしたやり取りの中に晴人が自然に戻っていることが、とても嬉しく思えた。

2012年になり、8周年の一大イベントたちが水面下で動き出している。

晴人はイベントに参加できるのか。
ライブには復帰できるのか。
レギュラー番組はどうなるのか。

考えることは山積みかもしれないが、
今は晴人のペースに合わせるのが第一。

だけど、晴人が“もう一度ステージに立ちたい”と思えるようになってほしいのが、本当の願いだったりもする。

『横山くん！助けて！丸ちゃんが離してくれへん！』

「こんにゃろ～！もう一生離さへんからな～！！」

この笑顔を、ずっと守っていくために。

俺たちは今、動き始めている。