with you3 【Kazuma.k】 (ページ5)

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メンバーの吉野北人といえば、グループきってのロマンチストで、地元・宮崎の星空が好き。

…というのは、初めはみんなに疎かった私も早めの段階で知り得た程有名なソレだった。
ロマンチスト、というか夢見がちっぽいんだろうなあという言動は今まで一緒に過ごしてきて節々に見られるものもあったけど、星が好きな一面をこうして見るのは初めてかもしれない。

確かにここ、プラネタリウムは、そういう人は好きそうだもんなあ。
かと言って本当に恋人ばかりの空間だし、それを除いても芸能人とは言え成人男性が1人で来るのは気持ち的にしんどいものがあったからこその私へのお誘いだったのかもしれない。

今回の北ちゃん曰く「デート」の真相に早くも辿り着いた。
要は私は都合の良い引率者だったわけだ。
まあほくちゃんの我儘に付き合ってあげられるのもこれが最後だろうしなあ。
そう思うと彼に振り回されている今も、何だか楽しんだ方がいいような気もしてきた。

プラネタリウム内はもう既に少し暗がりになっていた。
訪れる人達はカップル同士が多いこともあってか、それぞれが自分達の世界に入り込んでいて、意外と周りの、私達のことなんて見向きもされていないのに少し胸を撫で下ろす。
かと言って油断は大敵。
お家に帰るまでが遠足ならぬ、寮に帰るまでがミッションコンプリートなので絶対に人様にバレてはならない。

そんな風に思いながら前を歩く北ちゃんに連れて行かれた座席に、もう色々な情報が当たり前かのように重なりすぎて、すぐには反応ができなかった。

「どうぞ～」
「ねえ、あからさますぎじゃないですかこれ」
「なにが？超気持ちよさそう」
「…はあ、なんかもう、いいか」

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