with you3 【Kazuma.k】 (ページ11)

今日:17 hit、昨日:13 hit、合計:77,968 hit

-3 ページ11

.

まこっちゃんは、私の好きなブランドとかファッションをすごくオシャレに着こなしてて最初から気になってた。
格好良いしクールな雰囲気だからなかなか話しかけ辛くて、でも気付いたら翔平と一緒に話すことが増えてたな。
仲良くなったら歳下とは思えない態度を取られる事もあったけど、私のことを思って色んな事を一緒に考えてくれて、話してくれて、多分まこっちゃんに相談できないことって無かったと思う。
生意気な歳下のくせして、でも沢山、一番お世話になった人。

北ちゃんとは絶対に仲良くなれないし、なろうとも思ってなかった。
顔がわけわからんくらい格好良くて典型的な芸能人みたいな人なのに、初対面からして生意気な態度だったし。
でも仕事に対してすごく真剣に向き合ってて、どんな時も良くも悪くも素直で真っ直ぐな人。
短い間で色んな姿を私に見せてくれて、こんな人を支えられる仕事なら、寮母も悪くないかもってやり甲斐を感じさせてくれたのは北ちゃんだった。
この生活が楽しくなったのも誇りを持てたのも絶対、北ちゃんのおかげだ。

それから、壱馬くん。

第一印象はマスクにニット帽で表情が読めなくて怖かったけど、クールな見た目とは裏腹に気さくに話す人で、初めの日から今日まで、沢山、沢山お世話になった。

風邪を引いた時に看病してくれた事もあった。

深夜にリビングでコーヒー片手に何時間もしょうもない話とか、人間関係の話、アーティスト観、人としてたかな人生観とか深い話もたくさん話した。

変に過保護だったり、変に厳しかったり、でも何かあった時にはヒーローみたいに助けてくれたり、気にかけてくれたり、何にも持って無い私を受け入れてくれて、壱馬くんの優しさを一杯貰って過ごした数ヶ月だった。

只の一般人な私がそれを返すことは出来ないけど、でも誰よりも感謝してる。
壱馬くんがいなかったら、私は寮母なんてこんなにしんどい仕事、とっくに辞めてたかもしれない。

こんなセンチメンタルな気分になるなんて、自分らしくないなと、思う。
若干滲んできたような視界をごしごし擦って、ひとつ気合を入れる。
……これで終わりなら、終わりだからこそ、やっぱりみんなにありがとうは伝えなきゃいけないな。
筋を通さないと、体育会系の名が廃る。

それに、私の仕事は、明日の朝ここを出るメンバーを最後の1人まで見送る事だ、しっかりそれを全うしなければ。浸っている暇なんて最後までない。

.