127:一歩 ページ35
▽.
「私トイレ行ってくるから、待っててー!」
『はいはい』
莉愛を待ってる間トイレの近くにある自動販売機で何か買おうかと悩んでいると、後ろからガシリと頭を掴まれる
「買わんのならどけや」
『いった、何すんのさ侑』
「聞こえんかったか?ど け や 」
『はいはい、すみませんでしたー』
平謝りしながら退くと侑が何やら飲み物を買っていて
うわ、筋肉凄…、てか水着めっちゃ似合ってる
…なんて考えてると
「なんやねん」
と、飲み物を買い終わったであろう侑に睨まれる
「てか、お前もココ来てたんやな。足は平気なん」
『足は大丈夫。そんな激しく泳ぐわけじゃないし』
侑達も来てたんだね、そう言った途端さっきの光景を思い出してちょっと後悔
モヤモヤが再び広がる
「あれー、侑くんここにおったんや。急に走り出したからビックリしたわ〜」
なんて笑いながら侑の手を取るさっきの子
「ていうか、やっぱり水着カッコええな〜」
なんて、あからさまにこっちを見てマウントを取る
小銭入れをキュッと握りしめる
「Aちゃんもそう思わーん?」
『…別に、そこまででもないでしょ』
なんてつっけんどんに返してしまう
「えっー!そっか。ほな、侑くん行こ!」
そう言って侑の手を引き歩き出そうとするその子
頭で考えるより、体が先に反応した
侑の腕を掴む
恥ずかしいとかそういうの今はどうでも良かった
『う、嘘だから!…水着、似合ってる』
決して大きな声じゃなかったし、顔も合わせられなかったけど
でも、言えた。一歩目は踏み出せた
ゆらゆらと揺れていた天秤が一気に傾く
何故かそれが心地よかった
.
おまけの話
遡ること30秒前
侑side
「でさー、侑はどっち派?」
「おーい、お前聞いてる?さっきからずっとどこ見たんだよ」
「あー、すまん。俺ちょっと席外すわ」
「え、ちょ、侑くんどこ行くのー?」
好きな子のとこ、言うたらこの豚どもどんな顔すんねんやろ
.
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初月(プロフ) - ユキナさん» ありがとうございます!!更新がんばります! (2022年2月9日 17時) (レス) id: d18d3b542f (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - 最初から読み始めておもしろくてすぐ読んじゃいました!!更新頑張ってくださいね! (2022年2月5日 23時) (レス) id: fcc38ebda0 (このIDを非表示/違反報告)
初月(プロフ) - おもちさん» えぇ...嬉しいです(泣)ありがとうございます!頑張ります!! (2021年9月28日 17時) (レス) @page24 id: 35c19a5e2a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - この作品ちょー好きです!!これからも応援してます!! (2021年9月24日 20時) (レス) @page21 id: 0550ba15c4 (このIDを非表示/違反報告)
初月(プロフ) - 凛/月影/霖さん» ありがとうございます!!ここからの展開はもう決めてあるので、どんどん更新予定です! (2021年8月20日 11時) (レス) id: 35c19a5e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:初月 | 作成日時:2021年8月17日 9時