121：天の邪鬼 ページ29
▽．
「お、お疲れ様でしたー」
後輩の子の声が聞こえる
それも、少し怯えたような声
原因は侑にあるんだけど
今日は他校を呼んで練習試合をしていた
レベル的には勝てるはずの相手だったはずなのに負けた
それに負けずぎらいの侑はイライラしているわけで
しかも、侑のコンディションは絶好調だったのに
もう体育館閉める時間でみんな帰る支度をしているのに、侑だけずっと自主練している
声かけてやめさせなきゃだけど、侑めっちゃピリピリしてるしなと思った矢先に横から視線が飛んでくる
たのんます、と口パクで私に伝える銀島
そしてその横で侑の方をくいっと顎で指す角名
私にこのピリピリ侑を慰めろと？
絶対怒鳴り散らされて終わりなんだが。てか、なんなら私がそれにキレて大喧嘩に発展するよ？
侑のことが好きと自覚してからも、何だかんだ今までと変わらず口喧嘩ばかりしているし
もはやその自覚した気持ちは幻だったのかというくらい、いつも通り軽口を叩きあっている
まじでわたしがやんの？、とこちらも口パクで角名たちに返す
すると間髪入れずに角名たちが首肯く
なにか確証があるかのように首肯く角名たち
職員会議から戻ってこない先生を恨む
どうなっても知らないから、と角名たちを横目で睨み、体育館の隅で一人練習している侑に声をかける
「なんや。こちとら練習してんねん」
開始一秒で心折れそう
『もう体育館閉める時間なんだけど』
「俺が鍵預かって、閉めてけばええやん」
『いや。ダメだから。まずかぎは先生が持ってるし』
「先生に直談判するから、先生くるまでやっとる」
侑がイライラしてきているのがわかる
『オーバーワークだよ。大会前にからだ壊したいわけ？』
「うっさいねん。偉そうに。黙れやくそ豚」
私もだんだんイライラしてくる
『はああ？くそは侑の方じゃん』
どんどんヒートアップしていく言い合い
ほら、だから言ったじゃんこうなるって
ついに、豚まで言われた
やっぱり侑は私のこと馬があわない友達くらいにしか思ってないよ
結構仲良くなれたとおもったんだけどな
出会った頃に戻ったみたい
ネガティブな思考になっていき、だんだんその思考力さえなくなって、イライラが頭を占拠する
『ほんっとあり得ない』
「こっちの台詞や。ほんっまに」
『「大っ嫌い」』
ついこのあいだ自覚したばっかりのくせに
思ってもいない言葉を吐き出した
．
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初月(プロフ) - ユキナさん» ありがとうございます！！更新がんばります！ (2022年2月9日 17時) (
レス) id: d18d3b542f (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - 最初から読み始めておもしろくてすぐ読んじゃいました！！更新頑張ってくださいね！ (2022年2月5日 23時) (レス) id: fcc38ebda0 (このIDを非表示/違反報告)
初月(プロフ) - おもちさん» えぇ．．．嬉しいです(泣)ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年9月28日 17時) (レス) @page24 id: 35c19a5e2a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - この作品ちょー好きです！！これからも応援してます！！ (2021年9月24日 20時) (レス) @page21 id: 0550ba15c4 (このIDを非表示/違反報告)
初月(プロフ) - 凛／月影／霖さん» ありがとうございます！！ここからの展開はもう決めてあるので、どんどん更新予定です！ (2021年8月20日 11時) (レス) id: 35c19a5e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：初月 | 作成日時：2021年8月17日 9時
