14.初対面の後輩たち ページ14
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「さっきなんで睨んできたの?」
授業が終わり学食でうどんを啜っていたジュンギュは私の質問に心底呆れたような顔をした。
ジュンギュ「あえて邪道を行くAがあまりにも情けなかったから。それ以外の何があるの?」
「情けないってなによ」
ジュンギュ「情けなさすぎて話にならない」
「はあ?」
ジュンギュ「自分から邪道に踏み入るなんて馬鹿馬鹿しいよ、最初から王道選べって」
いや…話の本質が見えてこないんですけど…
ジュンギュ「こんな正統派イケメンが横にいて、どうして他に目移りするのかな?だいたい精神的に向上心のないものは馬鹿だって言葉を知らないの?国文学科なのに」
ジュンギュの自画自賛レクチャーは食後の移動時間にも及んだ。
自分がどれだけ優れているかをかれこれ30分以上話し続ける彼はとてもじゃないが正気だと思えない。
ジュンギュ「ねえ、A話聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」
「お!ジュンギュとA?」
ジュンギュ「え?ヒョンソギヒョン!」
突如現れたヒーローによって強制的にジュンギュの説教じみた自慢話が終わり、胸が軽くなった。
持つべきものはヒョンソク先輩である。
手を振りながら私たちに向かって歩いてくるヒョンソク先輩だったが、近づくにつれて何人か他の人を連れていることに気付いた。
なんだか初々しいような気もするし、新入生にご飯でも奢ってあげたのだろうか。
そんな私の視線を感じたヒョンソク先輩は口を開いた。
ヒョンソク「こいつら今年の新入生だよ!お前ら先輩に挨拶して!」
「「「こんにちは〜」」」
化石のように固まった私たちにヒョンソク先輩が連れてきた新入生達は愛想良く挨拶してくれた。
慌てて私も初対面の彼らに挨拶を返していると、清らかな声の持ち主がこちらに走ってきた。
「ヒョン!スマホ見つかりました!」
ヒョンソク「学食にあったの?よかったな!」
「はい!お騒がせしてすみません…」
ヒョンソク「いや、見つかってよかった!…あ、お前も挨拶して!Aは国文学科の先輩だよ!」
栗色の髪のスラッとした男の子は私たちを見て花のように華やかな笑みを浮かべた。
あれ?この人…
「はじめまして、キムドヨンと申します!」
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扇子(プロフ) - みさん» いえいえ!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!これからも更新頑張りますね☺️ (2022年6月26日 1時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
み - 更新してくださりありがとうございます! (2022年6月25日 0時) (レス) @page47 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - ゆゆさん» わ!ありがとうございます!!嬉しいです☺️ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - おもしろすぎて最高です! (2022年6月3日 1時) (レス) @page41 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - みつきさん» わ〜!!ありがとうございます!!嬉しいです☺️これからも楽しんでいただけるように頑張りますね!! (2022年6月2日 22時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇子 | 作成日時:2022年5月19日 18時