【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ49)

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仁人「は、放せよ！！」

柔太朗「おっと、ごめんごめん」

柔太朗に受け止められた拳を振り払うと、仁人はかなり焦った表情を浮かべていた。
確かに、いきなり殴りかかるのは絶対良くないことなんだけど、俺だったらあの拳を受けることも避ける自信もない。
でもこの柔太朗は、迫りくる仁人の拳をいとも簡単に阻止したのだ。

柔太朗「誤解しないでほしいんだけど、僕は自分だけが助かる方法なんて物は知らない。
君たちが知りたいことだって、それがイコール君たちが助かる方法という訳じゃないかもしれない」

仁人「何なんだよそれ……。俺達をからかってんのか？！」

柔太朗「もちろんそんなつもりはない。
だけど、僕は君たちに協力するつもりも、まったくしないつもりもない」

仁人「お前やっぱふざけてんだろ？！」

仁人がキレるのも無理はないような気がした。
さっきからこいつが言ってることはめちゃくちゃだ。
俺達に手を貸してくれるのか、くれないのか、こいつの答えは曖昧過ぎる。
何かを知っているらしいが、それも真偽はわからない。
本当にただ俺達をからかっているようにも見えるし、何を考えているのかまるで読めない。

柔太朗「ふざけてないよ。大真面目さ。
でもまぁ、あんまり愛想がないのも良くないかもしれないね。
なら一つ、君たちに助言しよう。

ここから見える外の景色、君たちにはどう見えているかな？

もっと外の景色をよく見てごらん？
既に気が付いてる人もいると思うけど、もっとよく考えてみてごらん」