【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ33)

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けれども、だから何だと聞かれれば、まだ俺にはわからない。
もしも俺達がこの砂漠でもっと別の何かを見つければ、ここにそれが映し出されるのだろうか。
それに何の意味があるのかわからないが。

しかしそう考えると、ここはやはり映画の中の世界、と言えるのだろうか。
現実では起こりえないことが、俺達の目の前で繰り広げられている。

突然の周辺の砂漠化。
動力もなく動く映写機。
そして、更新されながら映し出されるこの砂漠の映像。

それから俺達は、このことについてそれぞれ考えてみたが、結局は何も出てこず、皆疲れ果てていた。
特に俺と舜太は、殴られて血を流したこともあって、夜の1時を回ったあたりから頭がぼんやりとしてきていた。

A「勇斗、今日はもう寝ましょう……。皆も疲れてるはずだし……」

勇斗「おう……。そうだな……。俺も、なんかもう何も考えらんねぇ……」

疲労や空腹と睡魔で、もう立ち上がるのも無理そうだ。

勇斗「今日はもう寝て……明日また考えよう……」

寝る場所については、各自自分の寝たい場所に移動する、と言うことになっていた。
舜太は売店の中が一番落ち着くらしく、仁人と夏生さんはまた倉庫の方で寝るらしい。
太智も、シアターの一番前のど真ん中。
そこがお気に入りの様で、皆そんな自分が一番落ち着く場所で体を休める方が良いだろう。
そして俺達は、結局昨日と同じ映写室で寝ることにした。
段ボールを丸めた枕に頭を預け、ゆっくりと目を閉じる。
こんな場所でも、今日はすぐに眠りに付けそうだ。
そう思っていたんだけど、俺が目を閉じた次の瞬間、Aが俺のすぐ隣で引っ付く様に体を寄せてきたのだ。