【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ18)

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勇斗「こいつ引き上げるの、手伝ってくれ！」

舜太「何で？！こんなやつ放っておきましょうよ！俺達の事、殺そうとしたんですよ？！」

勇斗「でも、こんなとこで見捨てれるわけないだろ？！」

舜太「な、何で……？！」

勇斗「確かに、こいつは俺達の事、殺そうとしたし……Aにあんなひどいことしたし……許せねぇよ……。
でも！！こいつが死ぬと、夏生さんが悲しむだろ？！彼女は、こいつの帰りを待ってるんだ……。
こんな奴でも待ってくれてる人が、悲しむ人がいるなら、死なせるわけにはいかねぇだろ？！」

舜太「……んもう……わかりましたよ！！」

半ば気に入らないと言わんばかりに怒っていた舜太だったが、それでも、俺と一緒に仁人の手を取って、彼の体を引き上げるのを手伝ってくれた。
砂漠の上で大の字に倒れこむ俺たち3人。
どうにか、俺は仁人を死なせずに済んだようだ。
それが良かったのか悪かったのか……いや、良かった。
俺は、こいつを助けられて、後悔していない。
俺達は、あの映画館に集まった、たったの6人だけで、この砂漠の世界に放り出されたんだ。
他には誰もいない。
もしかしたら、本当にこの世界にはもう俺達6人しかいないかもしれない。
だから俺は、6人全員でこの訳の分からない現状をどうにかしたかったんだ。