【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ13)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:7,267 hit

13 ページ13

暗がりであまりよく見えないが、車の方で舜太と思しき人影が、どさりと音を立てて倒れたような気がした。

勇斗「舜太？！おい、返事しろ！！」

必死の呼びかけにも、彼は答えてくれない。
何があったんだ。
俺は一瞬で不安と恐怖に包まれ、舜太の身に何が起こったのか確かめるべく、車の方へと急いだ。

勇斗「舜太？！」

車の陰で、やはり舜太が倒れている。
しかも、なにやら頭から血が流れているように見えるのだ。

勇斗「おい、どうしたんだよ？！舜太？！」

舜太「ぅ……」

痛みで悶えているのか、俺の言葉に返事を返すどころではなさそうだ。

勇斗「舜太！お―」

しかしその時。
俺は頭部に激しい痛みを感じ、目から火花が散ったようにチカチカと視界が歪むのを感じた。
一体なにが起こったのか全く分からない。
けれど、この激し痛みは、恐らく何か固いもので頭を殴られたような、そんな痛みだ。

「良い気味だ……」

俺の背後で、そんな声が聞こえた。
頭を押さえ、振り返った先で、奴が俺に冷たい笑みを浮かべて立っていた。
手に、車に積んであったタイヤ交換用のレンチを持って。

勇斗「お……お前……」

仁人「殺してやるよ。二人とも……」

そう、そこに立っていたのは、金髪の男、仁人だった。