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記念日 ページ30

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仕事が終わって携帯を開く。今日は俺とAにとっての特別な日だ。


「ふっかー」

「んぁ?」

グループでの仕事が早めに終わり、これから完全にオフだ。


「今からめめと飲み行こうぜ」

「焼肉行こうよ」

だからメンバーからの誘いも当然のようにある。今回は翔太とめめだった。


「ごめん、今日は絶対に外せねえ用事があるんだ」

「外せない用事ィ?」

「そう。だからごめん、また今度誘ってくんねえ? 奢るから」

「やだ。理由聞くまで帰さない」

今日はめめが珍しく頑なだった。いつもは比較的さっぱりしているのにどうしたのだろう。不思議に思いつつも帰してくれないのはとても困る。


「記念日なんだよ」

「記念日? Aさん?」

めめは物分かりがいい。


「そう。今日で付き合って4年になったの」


Aと付き合った日からちょうど4年が経った。この間、本当に色んなことがあった。環境が激変して芸能人生の岐路に何度も立たされた。

青春時代をジャニーズで一緒に過ごしてきた仲間が事務所を去っていくのを見送る側にもなって、これからの自分を考えるだけで不安になった。ファンの前に立つ時は隠していたけれど、裏では何度も押し潰されそうだった。もしかしたら潰れていたかもしれない。

でも大きな決断をしてこられたのはAが背中を押してくれたからだ。 メンバー増員の提案をされた時、彼らと一緒に長い旅路を歩んでいくべきか悩んでいた時。SnowManを見捨てないでいてくれるAが背中を押してくれた。


「俺が人生で初めて告白というものをした日でもあるわけよ」

「ふっかさん、Aさんに全然勝てないじゃないですか」

「勝ち負けなんてどうでもいいんだよな、これが」

Aとは1つしか変わらない。でも芸能界の酸いと甘いは誰よりもよく知っている。


“遅咲きでいいじゃん。早いとか遅いとかはどうでもいい”

それよりも咲かせた花をいかに長く咲かせ続けられるか。

早く出てきてもすぐに旬が過ぎて忘れられたまま芸能界を去った人はごまんといる。

遅く出てきたけれど、息が長く何年も何十年も活躍し続ける人がいる。結局満開の状態をどれだけ長持ちさせられるか、それが大事。

説得力を持って響いた言葉達は俺の胸に深く刻まれている。


「Aは俺の彼女だけど師匠でもあるからさ、勝ち負けがどうのレベルにないのよ」

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設定タグ:SnowMan , 深澤辰哉   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あおやなぎ | 作成日時:2023年3月27日 21時

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