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『やっぱり、晋助さんって凄い人なんですね』
私とは、住む世界も生きてきた世界も違う。天と地の距離ほど違うのだ。
ただの一般人でも、晋助さんの妻であるため、命が狙われる可能性もあるというわけだった。
すれ違う人々が自分の敵だということは、どういうことなのだろうか。
彼は街に繰り出す際にも注意を払わなくてはならない。そんな神経のすり減るようなことを、いとも簡単そうにしているから、彼の大変さが分からないのである。
『そりゃ泣く子も黙る鬼兵隊の頭っスから!』
『泣く子も黙る……』
またちゃんの言葉にふっと吹き出してしまい、彼の前で泣く子供を想像した。確かにあやすことは苦手そうだ。
世界を壊すことの出来る彼が、泣いている誰かを泣き止ませることは出来るのだろうか。
そんな繊細なことは、進んでやらない人だろう。泣き止ませるのは苦手だから、きっと私に「泣くな」と約束したのかもしれなかった。
何も言わなくていい。何もしなくていいから……せめて、私が泣いた時は、どうか傍にいて欲しい。
同じ空間に居てさえくれれば、私は安心して目を閉じることが出来る。
目を閉じるとは、そういうことなのだ。信用しているから、信じているから目を閉じれる。
目を閉じた時に何かされると疑わず、安心して自分を預けられる存在。
そんな人の前でしか、人は目を閉じることができないのだ。
晋助さんは、私の前で、ゆっくりと目を閉じることは、出来るのだろうか
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月城碧 - ハルさんすごいです!私も高杉が大好きなのですがもうキュンキュンしまくりです!最初は愛なんてなかった…ていう所からの展開が凄すぎる!もう一気に高杉をもっと好きになるとともにハルさんのファンになりました! (2018年12月4日 17時) (レス) id: de7306413f (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» さっつんの言った通り早いですね! 本当に! 高杉への愛を詰めるだけ詰め込んでいる作品なので、終わりが早いと呆気なく思ってしまいます( ; ; ) 続編も頑張ります! 応援ありがとう! これからもよろしくね!( ´ ∀`) (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - エラさん» おはようございます! それはそれは、どうもありがとうございます!! 両方好きだなんてとっても嬉しいです( ´ ∀`) 続篇、本日出しますのでどうかお楽しみに!! 閲覧とコメントをありがとうございました! (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - ハルー、恋は白い薔薇のようで完結おめでとう!
早いね、もう3弾いっちゃうよ。高杉好きだからこそ、泣くよね。愛がない結婚からの愛。泣くね。号泣だ。
黄色い薔薇も頑張ってね! (2017年8月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - こんにちは!いつも楽しませてもらってます!サドリーマンも好きですが、薔薇シリーズも大好きです!「別れは、黄色い薔薇のように」も楽しみにしています♪頑張ってください♪ (2017年8月10日 14時) (レス) id: ad6183f351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月23日 10時