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『実は俺、この間たこ焼きを食べたんだ』

『はあ……』

『それで射的もしたんだよ』




だからどうしたのかと思ったが、二つ目の「射的」に耳が反応する。それに気付いた神威さんは、ふっと鼻先で笑った。




『その時見ちゃったんだ、二人がいるのを』




今私を見つめている目が、あの時の私達も映していたのだろう。しかし彼は先を言わずに口を閉じ、鼻から小さく息を吐く。


そうして頭を掻いて、視線を下げた。




『神威さん……?』




彼の名前を呼べば、ゆっくりと顔を上げる。そうして口をモゴモゴと動かし、「ごめん」と呟いた。




『道具なんて言ってごめんね』




口元を無理やり吊って笑うも、眉は垂れ下がっている。神威さんのそんな困ったような顔は見たくなく、大丈夫だと伝えるために何度も首を横に振った。




『気にしてないですよ、もう』




それに対し、「ありがとう」と薄く笑った彼は、これ以上喋らずに部屋を出て行ってしまう。


ぴったりと閉められた襖と神威さんの口。釣られて私自身の口も思わず閉じてしまい、ただ呆然と、彼の消えた先を見つめていた。









『A。
君には何か、シンスケにとって価値があるみたいだ』



でも、それを知ったら……



『きっと君は、泣いちゃうんだろうね』

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 鬼兵隊   
作品ジャンル:アニメ
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月城碧 - ハルさんすごいです!私も高杉が大好きなのですがもうキュンキュンしまくりです!最初は愛なんてなかった…ていう所からの展開が凄すぎる!もう一気に高杉をもっと好きになるとともにハルさんのファンになりました! (2018年12月4日 17時) (レス) id: de7306413f (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» さっつんの言った通り早いですね! 本当に! 高杉への愛を詰めるだけ詰め込んでいる作品なので、終わりが早いと呆気なく思ってしまいます( ; ; ) 続編も頑張ります! 応援ありがとう! これからもよろしくね!( ´ ∀`) (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - エラさん» おはようございます! それはそれは、どうもありがとうございます!! 両方好きだなんてとっても嬉しいです( ´ ∀`) 続篇、本日出しますのでどうかお楽しみに!! 閲覧とコメントをありがとうございました! (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - ハルー、恋は白い薔薇のようで完結おめでとう! 早いね、もう3弾いっちゃうよ。高杉好きだからこそ、泣くよね。愛がない結婚からの愛。泣くね。号泣だ。 黄色い薔薇も頑張ってね! (2017年8月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - こんにちは!いつも楽しませてもらってます!サドリーマンも好きですが、薔薇シリーズも大好きです!「別れは、黄色い薔薇のように」も楽しみにしています♪頑張ってください♪ (2017年8月10日 14時) (レス) id: ad6183f351 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2017年7月23日 10時

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