2 ページ3
『……なんだか、最近は外が騒がしいですね』
私たちの居る住まいは、周囲に民家なども無く、つまり人気が無いわけなのだが、ここ最近は遠くから笛や太鼓の音がする。
部屋に来て、一緒に茶菓子を食べているまた子さんに話しかければ、彼女は口にしていたお饅頭を飲み込んでから口を開く
『なんでも、明後日に祭りが行われるらしいっスよ』
『お祭り……ですか』
小さい頃、私も行きたいと父にせがんで言ったのだが、結局人混みに揉まれて気分を悪くし、父におぶわれながら帰った記憶がある。
それ以来、迷惑になるだろうと思って祭りには行かず、ただ部屋の窓から花火や祭りに行く人々を見ていた。
『行きたいんスか?』
『いえ、別に……』
行くとしても、一人ではいけない。
それなら誰かに来てもらわなくてはならないため、誰かの手を煩わせることになってしまう。
また窓の外からでも見ればいいか、と納得し、私は冷めたお茶をすする。
『……ワガママくらい、言っても良いんスよ』
『え?』
『Aが遠慮ばかりするから、私は少し寂しいっス』
いつの間にか変わった呼び名。
それに気付いたとき、心がふわりと軽くなっていく。
『ありがとう、またちゃん』
あんまり変わらないかもしれないけど、私にしては精一杯のあだ名呼び。彼女はそんな私に、にっこりと笑ってくれた。
友達なんていなかったからよく分からないけれど……きっとこんな感じなのかもしれない。
476人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月城碧 - ハルさんすごいです!私も高杉が大好きなのですがもうキュンキュンしまくりです!最初は愛なんてなかった…ていう所からの展開が凄すぎる!もう一気に高杉をもっと好きになるとともにハルさんのファンになりました! (2018年12月4日 17時) (レス) id: de7306413f (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» さっつんの言った通り早いですね! 本当に! 高杉への愛を詰めるだけ詰め込んでいる作品なので、終わりが早いと呆気なく思ってしまいます( ; ; ) 続編も頑張ります! 応援ありがとう! これからもよろしくね!( ´ ∀`) (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - エラさん» おはようございます! それはそれは、どうもありがとうございます!! 両方好きだなんてとっても嬉しいです( ´ ∀`) 続篇、本日出しますのでどうかお楽しみに!! 閲覧とコメントをありがとうございました! (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - ハルー、恋は白い薔薇のようで完結おめでとう!
早いね、もう3弾いっちゃうよ。高杉好きだからこそ、泣くよね。愛がない結婚からの愛。泣くね。号泣だ。
黄色い薔薇も頑張ってね! (2017年8月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - こんにちは!いつも楽しませてもらってます!サドリーマンも好きですが、薔薇シリーズも大好きです!「別れは、黄色い薔薇のように」も楽しみにしています♪頑張ってください♪ (2017年8月10日 14時) (レス) id: ad6183f351 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月23日 10時